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大学セミナーハウス開館50周年を祝って

私と八王子大学セミナーハウスとの関係は約40年前にさかのぼる。
オーストラリアと香港で数年を過ごしてから明治大学に職を得て帰国したのが、1971年の春であった。
すぐに国際政治のゼミを持ち、関東地区の幾つかの大学で外交や国際関係のゼミを持っている先生方との関係ができた。
慶応大学の池井優、成蹊大学の宇野重昭、一橋大学の細谷千博などの諸先生である。
これらの先生方が7大学共同セミナーと称してセミナーハウスで毎年勉強会を開いていた。
1年か2年遅れて明治大学の渡邉ゼミもそれに加えていただき、8大学、やがては他の大学も加わり最近では10大ゼミの名でその伝統は続いている。

明治を辞めてから青山学院大学にうつってからも、二つの大学の渡邉ゼミがこれに参加してきた。
10大ゼミの卒業生の総数は正確にはしらないが、相当な数に上り、今日の学界の最前線で活躍中の人も少なくない。
私が参加した当時は飯田宗一郎館長の時代で、共同ゼミの打ち上げの際に館長から「生活は質素に、思想は高く」のモットーに基づく訓話をお聞きするのが例であった。
このことを知るだけでも、過去50年間に、八王子大学セミナーハウスの果たした役割は小さいものでないことがわかる。
次の50年間にもこの伝統は受け継がれていくのは間違いないと信じている。
東京大学名誉教授、青山学院大学名誉教授、千人会会員
渡邉 昭夫