セミナー・イベント

第16回大学教員研修セミナー「生成AIネイティブ時代のアクティブ・ラーニング再設計」
~AI時代の教育価値を最大化する授業変革への挑戦~

実施報告

開催形式・日程 ①オンデマンド講義の視聴      7月10日(金)配信開始
②オンラインセミナー開催(Zoom) 8月5日(水)12:50~15:45
③対面セミナー(1泊2日)       8月17日(月)~18日(火)
対象 国公私立大学で授業を担当する大学教員(非常勤講師を含む)
会場 オンライン:Zoomミーティングルーム
対面:公益財団法人大学セミナーハウス(東京都八王子市下柚木1987-1)
主催 公益財団法人 大学セミナーハウス

参加状況 : 12校(22名)

沖縄県立看護大学(2名)、江戸川大学(1名)、国士舘大学(4名)、駿河台大学(3名)、千葉科学大学(1名)、前橋工科大学(2名)、大阪物療大学(2名)、防衛大学校(2名)、北海道千歳リハビリテーション大学(1名)、明星大学(2名)、立正大学(1名)、龍谷大学(1名)

開催趣旨
「生成AIネイティブ時代のアクティブ・ラーニング再設計」

 生成AIの急速な普及により,大学教育は劇的な変容を迫られています。学生がAIを日常的に使いこなす時代において,「AIに代替されない人間ならではの学び」の本質を問うと同時に,AIをより深く活用することで現在の教育の限界を突破し,授業をダイナミックに再構築することが,第16回を迎える本セミナーの中心テーマです。
 セミナーでは,新任教員はもちろん,中堅・ベテランの教員まで広く参加を歓迎します。授業設計手法やアクティブ・ラーニングの基礎といった内容から,AIを活用したファシリテーションなど最先端の事例まで幅広く扱い,着任間もない教員が教育設計の土台を築けると同時に,経験豊富な教員には自らの実践をAI時代の視点で問い直す機会となるよう設計されています。また概念的な議論やノウハウの紹介に終始せず,オンデマンド講義,同時双方向セミナー,そして合宿研修という段階的なプロセスを通じ,理論と実践を往還します。
 1泊2日の合宿研修では,問題意識を共有する他大学の教員や講師陣との対話を通して,日常の業務から離れて集中し,自らの授業設計に深く向き合う時間を設けます。「AI時代の教育をどう形にするか」という問いに正面から向き合い,自らの授業を具体的に書き換えていくこの研鑽の場に,皆様の積極的なご参加を心よりお待ちしております。
(運営委員長 菊地滋夫・運営委員 福山佑樹)

チャットツールSlack:講師と受講生の情報共有の場を活用

講師と参加者の情報交換の場(チャットツールSlack)をご提供しました。
Slack上に予めチャンネルを用意し、参加と同時に各チャンネルのメンバーとして参加していただきます。
◇「〇セミナー関連連絡」:セミナーに関するご連絡、変更事項等を掲載。
◇「〇自己紹介」:参加いただいたら、まずはこちらで簡単な自己紹介をお願いしました。
◇「~-講師名」:オンデマンド講義のURLをはじめ、各講師に対する質疑応答用のチャンネルです。

チャットツールSlackを使用した情報共有について、参加者からのご意見、ご感想(アンケートより)
参加者からは、「個人的にはSlackを日常的に使わないので、確認が遅れることがありました。でもメールのように埋もれないので、同時並行でで発信される多様な情報を確認するにはよい方法だと思います。」「日常的に使用していないため、リンクを探すのにも苦労し、ログインするのにも苦労した。全く必要がない。合理的配慮を必要とする学生のなかには大学のシステムの多さが原因とも言われることがわかった。運営側(講義では教員側)が得意とする仕組みのみを使うのは参加者(学生)に負荷を与える。通常使っていると思われるメールへの添付程度で十分であり、Slackを使用する意味がない。参加者への配慮が感じられなかった。運営側の自己満足であろう。」「情報を見失いずらく、またタイムリーにやり取りができてとても授業の助けとなりました。」などの感想をいただきました。

オンデマンド講義

 7月10日(金)~、SlackよりYouTubeのURLを公開しました。(動画は限定公開)
 講義資料と課題も併せて公開しました。
 

【講義1】大学生が通ってきた環境、出て行く社会
 藤井恒人(東京農工大学グローバル教育院教授)

 今の学生が生まれた頃にiPhoneができました。小学生の時にはLINEが新しいコミュニケーション手段に登場しました。私たちには最近の出来事も、彼らにはデフォルト。彼らの育ってきた環境、受けてきた教育をあらためて確認しましょう。そして彼らが出て行く社会を想定して、大学生活を通して身につけるべき能力をいっしょに考えましょう。

参加者からのご意見、ご感想(アンケートより)
参加者からは、「高校との学びの接続について理解が深められました.高校教員との連携,情報共有が大切と感じました」「前回も自分たちが接する若者の状況を把握する大変学ばせていただきましたが、今回は、学生の視点と共に、受験生を迎え入れる大学側の視点からも大変学ばせていただきました。特に、各省庁ごとに学生に求める力が異なるという点は、今までオープンキャンパスや教育上でのなにかしっくりこない色々な方向性の根本の理解に繋がりました。是非、今後の教育および受験生への対応の上でも活かさせていただきたいと思います。貴重なご講義、誠にありがとうございました。」「現在の学生のバックグラウンドがコンパクトにまとめられており、わかりやすかったです。」「大学と大学生(高校生)が置かれている状況がよく理解できました。またその理解なくして大学教育にあたることはできないことも感じました。」などの感想をいただきました。

【講義2】インストラクショナルデザイン理論と実践への活用
 名知秀斗(秀明大学学校教師学部専任助教)

 本講義では、教育活動の「効果・効率・魅力」を高める技法、インストラクショナルデザイン(ID)の基礎を解説します。IDは分野を問わず適用可能ですが、活用には工夫が必要です。生成AIを授業設計のパートナーとして利用しながら、ガニエの9教授事象等に基づき自身の授業をリデザインするためのヒントを提供します。

参加者からのご意見、ご感想(アンケートより)
参加者からは、「具体的な授業改善手法を例示いただきました.「AIにプロンプトを書くように課題設定をしなければ,学生たちから求める提出物を得られない」ということが,腑に落ちました.「課題で何を求められているか」を読み取る力を見たい場合には,その旨も伝える必要があると感じました」「教職にありながら、教育法そのものへの知見が乏しかったので、大変参考になりました」「授業の組み立て方、指示の出し方など、具体的な実践のヒントを多く頂けたと思います。また、すべてを一コマの授業に取り込むのではなく、15回の計画の中でバランスよく取り入れるという考え方も大事だと思いました」などの感想をいただきました。

【講義3】アクティブ・ラーニングの理論と実際
 福山佑樹(関西学院大学共通教育センター教授)

 アクティブ・ラーニング (AL) は高等教育において定着してきているが、効果的なALを実施するためには、背景などを含めて基本的な考え方を理解し、その必要性を教員が再確認することが重要である。
本セッションではAL の理論と実践例を紹介し、生成AI時代の授業に効果的にALを取り入れるためのヒントを提供する。

参加者からのご意見、ご感想(アンケートより)
参加者からは、「前回の新任教員研修会で学ばせていただいたことにより、授業の構成が理解でき、この5年間の間で学生とともに成長させていただくことができました。今回は今まで学んできたことを、改めて振り返りながら、行ってきた授業や手法に対して先生に直接コメントをいただくことができて大変感謝しております。また、予め事前課題で自分の授業が抱えている課題を認識することができたため、オンラインでも対面の際もより疑問に答えていただきながら学ばせていただくことが出来ました。そして、対面では今まで教えていただいてきたアクティヴラーニング基本の型が普遍的に応用が利く強力な助けになるものだということも改めて認識させていただきました。教えていただいた型を学生たちの反応や時代の変化に合わせながら、ブラッシュアップをつづけてまいりたいと思います。貴重なご講義、誠にありがとうございました」「大変説明がわかりやすかった」「アクティブラーニングの必要性と実践的技法について、コンパクトに解説されており、大変参考になりました」などの感想をいただきました。

【講義4】リフレクションからディフラクションへ:AI共創が可能にする回折的な学び
 田原真人
(IAF JAPAN 理事、参加型社会学会理事、デジタルファシリテーション研究所代表)

 対話で揃った思考をAIとの壁打ちで多様化し、再び対話で統合する——この循環が、従来の省察(リフレクション)を超えた「回折(ディフラクション)」的な学びを生む。2040年に向けてホワイトカラーの働き方が変容する中、AI共創型の反転授業がなぜ未来の学びと働き方の基盤になるのかを論じる。

参加者からのご意見、ご感想(アンケートより)
参加者からは、「AIを知識提供のみでなく,学生が自己の問いを深めるためにも利用できることを実感しました」「前回もアクティブラーニングの可能性について教えていただきとても興味深く学ばせていただきましたが、今回も様々な形でAIを使うことにより可能性が開かれることを先生の授業では大変学ばせていただきました。なかなか自分ではアイデアが浮かばない取り組みに関しても、演習を通じて実践させていただけて大変学ばせていただきました。また、AIの使い方も含めて考えることで多様な学びに結び付くことを教えていただきました。個人的には、小説化するという方法は、ケースを基にした学習などでも大きな効果を産み出せそうだと可能性を感じましたので、そちらも今後の授業に是非活用させていただきます。また研究の範囲になりますが、今までのフィールドノートを元にエージェントを作り学生と対話をさせるというアイデアもとても面白いと思いました。おそらくこちらも自分の仮説生成などにおいても応用が利くものだと思いますので、今回いただいたアイデアの宝箱から、自分に合う手法を見つけて磨いていきたいと思います。貴重なご講義、誠にありがとうございました」「実践的な技法として、大変興味深く試聴させていただきました」などの感想をいただきました。
 

【講義5】困難を抱える学生の理解のために
 ~大学におけるダイバーシティと発達障害のある学生への支援~
 村山光子(明星大学非常勤講師、明星中学校・高等学校事務長) 

 日本学生支援機構の調査によれば、発達障害のある学生数は5年前の約1.7倍に増加している。こうした中で高等教育の現場では対応に課題を抱える教職員も少なくない。本講義では、大学におけるダイバーシティ推進の文脈において、発達障害のある学生への理解と支援のあり方を、現状と実践例を踏まえて検討する。

参加者からのご意見、ご感想(アンケートより)
参加者からは、「障害学生支援室や学生相談室などへの適切な接続,支援は個人で抱え込まず大学全体で連携して行うことが重要であることを再確認できました」「「困難を抱える学生」のことを考えて教育を行うことは、特別な配慮ではなく、すべての学生にとって意味があると思いました。「教える」立場に立つと、どうしても(自分の物差して)先へ、上へ、と行き急いでしまうのですが、それが「学ぶ」人たちにとってどういう意味を持つのかを、常に考えておく必要があるなと思いました。また、自分自身の子育てにも参考になる、というか耳が痛いお話でした」などの感想をいただきました。

【講義6】生成AI時代のポスト・アクティブラーニング
 ─AI-proofの観点から授業と学びを再設計する
 杉森公一(北陸大学高等教育推進センター長・教授)

 生成AIの普及は、大学教育における学びの意味や授業設計の前提を大きく揺さぶっています。本講義では、従来のアクティブラーニング型授業をAI-proofの観点から捉え直し、知識の習得にとどまらず、知識への応答、再解釈、さらには知識生成へと向かう学習活動をどのように設計するかを考察します。授業・課題・対話・評価の再設計を通して、生成AI時代に求められる思考力・表現力を育む実践の方向性を考えるとともに、ポスト・アクティブラーニングとしての大学教育のあり方を探ります。

参加者からのご意見、ご感想(アンケートより)
参加者からは、「目から鱗が落ちるような思いで拝見しました。自分が日々やっていることを、ここまで分析的に考えることはかなり胆力を必要とすることだと感じますが、もしそれができれば大きく変わると思いました」「今回のオンラインのご講義と事前課題をいただく中で、自分がAIと不可分の時代の中で、学生に対してなにを保証しようするのか、またどのような人材を育成しようとしているのかということを明確に意識することが出来ました。また、海外の研究の知見とともに大学の制度自体を再設計されている先生と直接お話をする中で、今後のAIと結びついた時代において、どのように私たちが対応する必要があるのか、3、4歩先もイメージできたように考えております。私たちは研究者、だからこそ自分自身の授業や教育に対しても再帰的であるべきである、そしてそれができるという視点も今後に活かさせていただきたいと思います。貴重なご講義誠にありがとうございました。」「AI利用を前提として,利用の開示,根拠の確認,説明責任の重視については,直ぐに実施していきたいと考えています」などの感想をいただきました。

オンラインセミナー(Zoom)<8月5日(水)12:50~15:45>

今回のテーマ「生成AIネイティブ時代のアクティブ・ラーニング再設計」の主旨説明、および【ブレイクアウトセッションⅠ~Ⅲ】を通して参加者と運営委員・講師の顔合わせを行い、【ハーベスト】でその内容をシェアしました。

◇ブレイクアウトセッションについて
オンデマンド講義を提供していただいた講師の下、追加講義と質疑応答を行います。
参加者は、各自選択してroomに入室します。
進行ファシリテータとして、各room毎に、運営委員に配置していただきました。

※ブレイクアウトセッションの各roomの担当講師は以下の通りです。
 ブレイクアウトセッションⅠは、room➀名知秀斗講師(講義2)、room②村山光子講師(講義5)
 ブレイクアウトセッションⅡは、room③田原真人講師(講義4)、room④藤井恒人講師(講義1)
 ブレイクアウトセッションⅢは、room⑤福山佑樹講師(講義3)、room⑥杉森公一講師(講義6)

課題や悩み、アイデアを出しあい意見交換することで、徐々に和やかな雰囲気になりました。次回対面セミナーに繋がる良い機会となったようです。
各セッションの講師の先生方、ファシリテータを務めていただいた運営委員講師の皆様に感謝申し上げます。
参加者からは、「事前課題で疑問に思っていた点について、先生方に直接質問させていただく時間をいただけて、大変学ばせていただきました。また、対面でお会いする先生方のことも予め知ることができてありがたかったです」「初対面でしたので、自己紹介の機会があったことはありがたかったです」などの感想をいただきました。

★なお、他のroomの方の内容をご覧いたけるよう、ブレイクアウトセッションの各roomの録画をSlackのチャンネルに掲載しました。

◇ハーベストについて
各ブレイクアウトセッションでの収穫を、全体会で発表しシェアしました。進行は田原真人講師にお願いしました。
参加者からのご意見、ご感想(アンケートより)
参加者からは、「短時間でのKJ法の代替実習の事例を見せて頂き興味深かったです」「内容を即時フィードバックする実演は興味深かったです」「他の参加者の方の感想が即時にわかるのはとても参考になりました。AIで自分にはできないような情報の整理ができることに驚きましたが、AIのまとめは「だから何なの」というところが飲み込めず、少し消化不良感がありました。でもそういう感じも学びの種なのかなとも思います」との感想をいただきました。

 

ご参加の皆様と記念撮影!! 次回はセミナーハウスでお会いしましょう♪♪♪

対面セミナー<8月17日(月)~18日(火)>

【開会式】

挨拶
大学セミナーハウス 山本眞一担当常務理事

趣旨説明
大学教員研修セミナー 菊地滋夫運営委員長

開会式:多目的ホールにて

開会式:運営委員・講師

【セッションA】第1日目(8月17日実施)
アクティブ・ラーニングに向けた関係性作り
諏訪茂樹(東京女子医科大学特任准教授)

諏訪茂樹講師

アクティブラーニングに向けた関係性作りのため、アイスブレイクを目的としたいくつかのワークトレーニングを行いました。これは、翌日の【セッションB:多様性と共生・協働のための探究型アクティブ・ラーニング】とも連動するものです。
1時間半があっと言う間に過ぎ、セッションが終了する頃には、かなり打ち解けたように思いました。

※プログラムでご案内しておりました佐藤順子講師体調不良のため、急遽、講師を変更させていただきました。
 

皆さん、だんだん打ち解けた様子です

参加者からのご意見、ご感想(アンケートより)
参加者からは、「大学生1年生に向けたアイスブレイクの事例を学べました」「5年前に教えていただいたアクティブラーニングの手法をこれまで授業で活用させていただいてきましたが、諏訪先生のおかげで一瞬で学生の立場にもどってしまいました。そして、学生側として受講する際の感覚や、ファシリテーターの理想的なお手本を教えていただけたと感謝しております。細やかなお心遣いや、経験と知識の深さにより、アクティブラーニングは学びを深める大きな可能性がまだまだあることも実感させていただきました。そして、諏訪先生のような学生一人一人への温かい視点、それをなによりももって帰らせていただき、教育に活かさせていただきたいと思います。貴重なご指導、誠にありがとうございました」「グループでのワークが、リフレクションの前と後で全く異なるものになったことに、大変感動しました」等の感想を多数いただきました。

【セッションB】第2日目(8月18日実施)
多様性と共生・協働のための探究型アクティブ・ラーニング 
諏訪茂樹(東京女子医科大学特任准教授)

セッションB:グループワーク

2日目は、会場を移して講堂でセッションBを開始しました。
自分とは異なる他者とも相互理解を深め、共生・協働することにより、課題を効果的に解決する探究型学習の方法を解説していただきながら、受講者にはワークで実際に体験していただきました。

参加者からのご意見、ご感想(アンケートより)
参加者からは、「グループリソースを損なわないように,声の大きな人に引っ張られず,根拠を論理的に考えられるようアピールしていきたいと思います.本学の教員FDでも実施したい内容でした」「カンファレンス・トレーニングは、すぐに取り入れられる実践的方法な方法であり、大いに参考になりました」「セッションAと同様、グループのパフォーマンスが明らかに変化したのが感動的でした」等の感想をいただいています。

〖分科会について〗〖ポスターセッションについて〗〖AI共創ワークショップについて〗

【分科会について】
本セミナーでは、参加者の興味に応じて2つのテーマに分かれての分科会を開催します。
分科会では、参加者・講師の垣根を越えて事例紹介や対話を行い、少人数で深く考える場としています。

【ポスターセッションについて】
一人ひとりの教員のみなさんが、大学教員研修セミナーで学んだことを参考にして、どのように授業をアップデートしていくのかのアイディアをポスターセッション形式で発表し、参加者同士で議論します。

【AI共創ワークショップついて】
ポスターセッションの授業アイディア資料をAIに読み込ませて統合し、大学教員研修セミナーを
通してどのような学びの収穫があったのか抽出します。また、それを手がかりに対話を行って
気づきを得ます。

【分科会➀】第1日目「生成Ai時代の学びを問い直す」(8月17日実施)
 担当講師:田原真人・杉森公一

分科会➀

 生成AIの急速な普及は、「そもそも学びとは何か」「大学教育はどこに向かうのか」という根本的な問いを突きつけています。
この分科会では、AI共創型の授業づくりやAI-proofな学びの設計など、AI時代における学びの本質と新たな可能性について、参加者同士の対話を通じて深く掘り下げます。

参加者からのご意見、ご感想(アンケートより)
参加者からは、「多くの大学教員が生成AIについて悩んでいるのがわかってよかった。また、様々な参加者の意見が聞けて大変参考になった」「参加者同士で、踏み込んだ話し合いができたと思います。ステップバック・コンサルテーションという方法も興味深く、ゼミなどで取り入れてみたいと思いました」等の感想をいただきました。

【分科会②】第1日目「自分の授業をデザインする・つくり直す」(8月17日実施)
 担当講師:福山佑樹・名知秀斗

分科会②

 インストラクショナルデザイン(ID)やアクティブ・ラーニング(AL)の理論と実践を軸に、自らの授業を具体的に見直し、秋学期に向けた授業設計の改善案を持ち帰ることを目指します。
多様な学生への支援やファシリテーションの技法も取り上げながら、「明日の授業に活かせる」実践的な対話の場とします。

参加者からのご意見、ご感想(アンケートより)
参加者からは、「分科会②に参加し、授業内容の改善について検討しました。もう少し事前に準備しておくべきだったかと感じています」「先生方から直接アドバイスをいただけて、疑問の先、自分も気づけていなかったような授業を深化させるポイントをおしえていただけました。また同じグループの先生方からもアイデアをいただけて授業を深めることができ感謝しております」との感想をいただきました。
 

◇◇夜は情報交換会で交流を深めていただきました◇◇ 第1日目8月17日実施

情報交換会の様子

参加者自己紹介

菊地運営委員長に進行していただき、ご参加の先生方に自己紹介と「AIに譲りたくないもの!」をお話いただきました。

参加者からのご意見、ご感想(アンケートより)
参加者からは、「対面の醍醐味を最も味わえたひとときでした」「「AIに譲りたくないもの」の一言挨拶がとても興味深く、勉強になりました。参加者の皆さんや講師の先生方とじっくりとお話しできたのも大変ありがたく、印象に残る時間でした」「多くの先生とざっくばらんにお話ができてよかった」などの感想の他、「立食ではなく、くじ引きで席を決めても良かったのでは?その後は立食にして自由に話すとか。もう少し工夫が必要。ありきたりである」などのご意見をいただきました。

【ポスターセッション】8月17日準備、8月18日発表
進行担当 田原真人 講師

8月17日 ポスターセッション準備

進行ファシリテータの田原真人運営委員の下、参加者の皆さんが、このセミナーで学んだことを参考にして、どのように授業をアップデートしていくのかのアイディアをポスターセッション形式で発表し、参加者同士で議論していただきます。
第1日目に準備し発表資料を提出。第2日目に、1ローテーションを7~8人で発表27分で3回行いました。


 

8月18日 ポスターセッション 発表

参加者からのご意見、ご感想(アンケートより)
参加者からは、「実際に自分のデータ(授業で使っているもの)を使ってポスターを作製でき、それに対して多くの先生から貴重なご意見をいただけたので、「 ポスターセッション」はあってよかったと思う。ただし、1年目の先生(まだ講義を担当していない先生など)には具体的な題材がない(乏しい)ので、想像でポスターを作成することになり、ポスター作製が大変だったように感じた」「直接お一人お一人の実践や学びについて議論ができたので、とても勉強になりました。もっと時間があればよかったと思います」という感想の他、「やはり本来テーマからのズレがあり、十分に得られることが少ないように思えた。しっかりと当初の目的、ゴールを事前に共有する時間が必要であろう。ポスターでなくても得られる情報ばかりであった。雑談で聞いた内容から発展していないものが多かった」というご意見もいただきました。

【AI共創ワークショップ】
  ファシリテータ 田原真人 講師

田原真人講師

 大学教員研修セミナーの締めくくりとして実施された田原講師担当の「AI共創ワークショップ」では、生成AIを単なる効率化ツールとしてではなく、思考や対話のパートナーとして捉え直し、グループワークを行いました。
 導入として杉森講師より「大学とは何か――設計書を、書きなおす」と題した問題提起が行われました。吉阪隆正氏設計の本館・逆ピラミッドや「咸宜園」の三奪法を引き合いに、「AIが答えを出せる時代に、大学の本質的な残余とは『責任と判断を引き受けること』にあるのではないか」という根本的な問いが投げかけられました。 

杉森公一講師

  参加者は5グループに分かれ、多様な「AIエージェント」を交えながら2050年の未来大学(大学セミナーハウス大学)設計に取り組みました。成果発表を行った4グループからは以下のような多彩な構想と物語が提示され、AI時代における「人間の判断と引き受ける力」を見つめ直す、刺激的な共創の場となりました。 

▪️グループ1【知の再構成と証言による学位授与】
AIによる議論の可視化でプロセスを評価し、身体性や対話の場を重視。細分化された知識を学生自身が編み直す「知の再構成」と、現場で責任を引き受けた実践に対する周囲の「証言」を学位授与の核に据えました。 
▪️グループ2【判断の引き受けと説明責任の制度設計】
AIの出力を出発点とし、判断のプロセスや対面応答を評価する「口頭引き受け評価」を導入。学部を廃して「引き受けたい問い」単位で学び、教員が学生の判断に責任を持って連署する「引受教員制度」を設計しました。 
▪️グループ3【咸宜大学構想と小説『語り出す庭』】
仮想の知的集積と身体的な対話拠点を融合し、社会への「発信」を卒業要件とする構想と文科省への制度提言を設計。さらに、AIに依存してきた若者が多世代の共同生活を経て「自分の言葉」を紡ぐ近未来小説へと昇華させました。 
▪️グループ4【AI PROOF構想と小説『崩落記録・第七号』】
作業をAIに全面委譲し、人間には「判断と引き受け」のみを残す設計を提示。多世代チームや年長者との連帯保証、月旦評2.0を導入し、AIの最適解に従った避難所再編の失敗と責任の重さを描く短編小説に結実させました。

AI共創ワークショップ:会場の様子

参加者からのご意見、ご感想(アンケートより)
参加者からは、「グループ内の他の先生方のアイデア,丁寧な発言,AIの利用の仕方など,大変勉強になりました.感謝の気持ちでいっぱいです」「AIを活用した様々な方法を実際に活用しながら進められたため、刺激的な時間でした」「AIに振り回されているように思えた。十分に通常のワークショップでも得られる。AIを活用する場と、使用しない場をもっと明確に線引する必要がある」という感想もいただきました。

【閉会式】

閉会挨拶:菊地滋夫運営委員長
(右上から順に)諏訪茂樹委員・福山佑樹委員・田原真人委員・藤井恒人委員・杉森公一講師

初めに、菊地滋夫運営委員長からのお話の後、講師を務めていただいた諏訪委員・福山委員・田原委員・藤井委員・杉森講師より一言ずつお言葉をいただきました。
最後に、大学教員研修セミナー菊地滋夫運営委員長から参加証明書を授与していただき、法人挨拶のあと閉会となりました。

運営委員の先生方には、企画立ち上げから、当日の講師まで務めていただき本当に感謝申し上げます。

参加者からのご意見、ご感想(アンケートより)
また、全国からご参加いただいた皆様からは、
「全体として、参加してよかったと思うセミナーでした。日常的な業務や活動の中では決して得られない知識や人脈に出会うことができ、解決されない問題を解決する緒を見つけることができたと思います。いかに自分が狭い世界で仕事をしているかを実感しました」
「新たな発見と問いが生まれ貴重な経験となりました。参加して本当に良かったです。ありがとうございました」
「本学の他の先生方にも推奨したいです.ご企画,運営もろもろ,誠にありがとうございました.今後とも,何卒よろしくお願い申し上げます」
など、多くの感想をいただきました。

このセミナーが、ご参加いただいた大学教員の方々の今後の一助になれば幸いです。

【記念撮影】皆様、お疲れ様でした。

◆対面セミナー「ショートムービー」
  ⇨ 下の画像をクリックしてご覧ください。

8月17日・18日対面セミナーショートムービー(75秒)


大学教員研修セミナー運営委員

<委員長>
菊地 滋夫(明星大学人文学部教授)
<委員>
諏訪 茂樹(東京女子医科大学特任准教授)
福山 佑樹(関西学院大学共通教育センター教授)
藤井 恒人(東京農工大学グローバル教育院教授)
田原 真人( IAF JAPAN 理事、参加型社会学会理事、デジタルファシリテーション研究所代表)

※所属及び役職は2026年4月1日現在
 

お問い合わせ

公益財団法人 大学セミナーハウス・セミナー事業部
 TEL:042-677-0141(直)FAX:042-676-1220(代)
 E-mail:seminar@seminarhouse.or.jp
 URL:https://iush.jp/
 〒192-0372 東京都八王子市下柚木1987-1