第45回 大学職員セミナー
「大学における紛争の予防と解決をリードする」
~法務知識に学ぶ初期対応の重要性と戦略策定~
実施報告
期日 | 2024年11月19日(火) |
---|---|
会場 | Zoomミーティングルーム |
主催 | 公益財団法人大学セミナーハウス |
後援 | 大学コンソーシアム八王子 |
参加状況 9校 16名
中央大学(1)、法政大学(1)、関西国際大学(4)、甲南学園(1)、明治大学(3)、駿河台大学(2)、活水女子大学(2)、福岡大学(1)、武蔵大学(1)
開催趣旨
紛争の予防と解決は大学マネジメントの重要課題
ガバナンスや人事労務、教育、研究、学生対応、事業運営など幅広い領域にわたり、今日の大学は非常に多くの紛争を抱えています。社会に公表されるのはごく一部に過ぎないといわれますが、一方で訴訟となり社会から大きな注目を浴びるケースもあります。大学マネジメントの重要課題となった紛争の予防および解決に向けて大学職員に何ができるのか。そしてそのために、大学職員は何を学ぶべきか。これが今回大学職員セミナーのテーマです。
高度専門職(弁護士等)との協調が求められる
大学のマネジメント体制の現状といえば、紛争処理を担当する法務部門が設置されているのは一部の大規模大学に限られます。また、対象となる業務領域ごとに異なる専門性が求められるという特性を持つため、具体的な対応は担当部署に委ねられることが多くなります。そこでは、要所要所で弁護士等の高度専門職からの協力や指導を受けながらの適切な対応が求められますが、
そのためには、大学職員に高度専門職と協働する能力が必要です。この重責を担い、それぞれの部署において紛争の予防と解決をリードできる人材となるため大学職員が修得すべき能力と実践すべき行動は何か。先行する優れた事例を深堀りすることを通じて、我々は多くを学ぶことができるはずです。
紛争解決ツールとしての法務
今回のセミナーでは、20 年以上にわたり大学関係の人事・労務、財務、法務等の専門的業務に従事し、国私立大学の事務責任者として紛争の予防と解決に取り組んできた識者を講師としてお招きし、紛争解決ツールとしての法務知識を使いこなすことのできる人材となるための方策を探っていきたいと考えています。これからの大学マネジメントを担う皆様の積極的なご参加をお待ちしています。
ガバナンスや人事労務、教育、研究、学生対応、事業運営など幅広い領域にわたり、今日の大学は非常に多くの紛争を抱えています。社会に公表されるのはごく一部に過ぎないといわれますが、一方で訴訟となり社会から大きな注目を浴びるケースもあります。大学マネジメントの重要課題となった紛争の予防および解決に向けて大学職員に何ができるのか。そしてそのために、大学職員は何を学ぶべきか。これが今回大学職員セミナーのテーマです。
高度専門職(弁護士等)との協調が求められる
大学のマネジメント体制の現状といえば、紛争処理を担当する法務部門が設置されているのは一部の大規模大学に限られます。また、対象となる業務領域ごとに異なる専門性が求められるという特性を持つため、具体的な対応は担当部署に委ねられることが多くなります。そこでは、要所要所で弁護士等の高度専門職からの協力や指導を受けながらの適切な対応が求められますが、
そのためには、大学職員に高度専門職と協働する能力が必要です。この重責を担い、それぞれの部署において紛争の予防と解決をリードできる人材となるため大学職員が修得すべき能力と実践すべき行動は何か。先行する優れた事例を深堀りすることを通じて、我々は多くを学ぶことができるはずです。
紛争解決ツールとしての法務
今回のセミナーでは、20 年以上にわたり大学関係の人事・労務、財務、法務等の専門的業務に従事し、国私立大学の事務責任者として紛争の予防と解決に取り組んできた識者を講師としてお招きし、紛争解決ツールとしての法務知識を使いこなすことのできる人材となるための方策を探っていきたいと考えています。これからの大学マネジメントを担う皆様の積極的なご参加をお待ちしています。
開会式
山本眞一 セミナー担当理事挨拶
今回のテーマである法務は、大学の運営や経営に携わる方たちにとって、重要な課題です。
でありながら、大学セミナーハウスでは、直接課題として取り上げたことはほとんどありませんでした。
今回、大学職員セミナー45回目にして、新たな試みと言えるでしょう。
法務は法務の専門家だけの問題ではなく、我々全体の関心ごとです。
法律の世界のことだけで解決するものではなく、周辺の要素を全部総合して問題として考えるべきだと思います。
今回のテーマである法務は、大学の運営や経営に携わる方たちにとって、重要な課題です。
でありながら、大学セミナーハウスでは、直接課題として取り上げたことはほとんどありませんでした。
今回、大学職員セミナー45回目にして、新たな試みと言えるでしょう。
法務は法務の専門家だけの問題ではなく、我々全体の関心ごとです。
法律の世界のことだけで解決するものではなく、周辺の要素を全部総合して問題として考えるべきだと思います。
講師に三浦先生をお迎えして、数時間にわたりセミナーが開催されるので、皆様でゆっくり情報交換もされながら、研修をして頂きたいと考えます。
【基調講演1】
テーマ | 紛争の予防と解決をリードするために必要な知識と行動 |
講演者 | 三浦春政(前 城西大学事務局次長) |
講演では、複数の大学での事務責任者としての実務経験を振り返り、紛争の予防と解決のためのプロセスおよびそこで求められる知識や行動について、皆様と共に考えていきたいと思います。
まず始めに、セミナーのテーマとなっている紛争の予防と解決というものがどのようなプロセスをたどって行われるのか、いくつかの典型的事例の紹介を通じて具体的なイメージを持っていただきます。次に、紛争の発生、顕在化から初期対応、専門家への相談を含む本格対応、そして和解や裁判、さらには学外に波及する様々な二次的影響とその対応まで、一連の紛争処理プロセスをわかりやすく図式化することを試みます。
我々がここで学ぶべき知識の中核をなすのが、紛争の予防と解決のための基準と手続きとしての法に関する知識(法務知識)です。具体的な紛争処理プロセスではもちろん、要所要所で弁護士等の高度専門職からの助言や指導を受けることが必要となります。この時、担当職員が一定の法務知識を有するか否かが、紛争処理の結果を大きく左右することになります。講演では、ガバナンス、人事労務、ハラスメント、学生対応など代表的な領域を取り上げ、担当職員に求められる知識と行動について、具体事例を折り込みながら説明します。
最後に、紛争への対応を法務部門に固定された高度専門職に依存するのではなく、幅広い領域で法務という副専門を有する大学職員を育成する、という人事制度を構築することの有効性について論じます。
まず始めに、セミナーのテーマとなっている紛争の予防と解決というものがどのようなプロセスをたどって行われるのか、いくつかの典型的事例の紹介を通じて具体的なイメージを持っていただきます。次に、紛争の発生、顕在化から初期対応、専門家への相談を含む本格対応、そして和解や裁判、さらには学外に波及する様々な二次的影響とその対応まで、一連の紛争処理プロセスをわかりやすく図式化することを試みます。
我々がここで学ぶべき知識の中核をなすのが、紛争の予防と解決のための基準と手続きとしての法に関する知識(法務知識)です。具体的な紛争処理プロセスではもちろん、要所要所で弁護士等の高度専門職からの助言や指導を受けることが必要となります。この時、担当職員が一定の法務知識を有するか否かが、紛争処理の結果を大きく左右することになります。講演では、ガバナンス、人事労務、ハラスメント、学生対応など代表的な領域を取り上げ、担当職員に求められる知識と行動について、具体事例を折り込みながら説明します。
最後に、紛争への対応を法務部門に固定された高度専門職に依存するのではなく、幅広い領域で法務という副専門を有する大学職員を育成する、という人事制度を構築することの有効性について論じます。
【グループワーク】
グループワークの前に、神山企画委員長より大学職員セミナー『グランドルール』についての説明がありました。
その後、4グルーブに分かれ以下のテーマに基づき自由闊達な意見交換が行われました。
テーマ:紛争対応の現状と課題
1.リスクマネジメント及び紛争処理の体制や運用上の問題
2.トラブルへの初期対応とこじれた場合に危惧される損害(事例の検討)
3. 紛争を予防・解決するために修得すべき知識・行動と期待される成果
講師の三浦先生と、加藤先生が各グループ20分づつ回り、各参加者の具体的な質問に答えてくださいました。
その後、4グルーブに分かれ以下のテーマに基づき自由闊達な意見交換が行われました。
テーマ:紛争対応の現状と課題
1.リスクマネジメント及び紛争処理の体制や運用上の問題
2.トラブルへの初期対応とこじれた場合に危惧される損害(事例の検討)
3. 紛争を予防・解決するために修得すべき知識・行動と期待される成果
講師の三浦先生と、加藤先生が各グループ20分づつ回り、各参加者の具体的な質問に答えてくださいました。
【参加者アンケートより】
基調講演【紛争の予防と解決をリードするために必要な知識と行動】について
・大学で発生する紛争事案をカテゴリーに分けて概略ご説明いただいたが、それよりも特定の事例解説をいただきながら、大学としての組織体制や法務部門に求められるスキル、学内・学外との連携体制といった観点についてご説明いただいた方が、三浦先生の知見をより吸収できたように思います。
・三浦先生の力強いご助言が胸に刺さりました。周囲の職員にも共有したい内容がたくさんありました。
・三浦先生の力強いご助言が胸に刺さりました。周囲の職員にも共有したい内容がたくさんありました。
【グループワーク】について
・紛争や危機事案について様々な立場からの関わり方やそれぞれが抱える課題を伺えたのは勉強になったが、今一つ議論のテーマが漠然としており、話の内容が散漫になってしまった印象があります。進行はメンバー内から選ぶのではなく、企画委員の方がファシリテーターとしてある程度議論の方向付けをやっていただけた方が良かったと思います。
・ファシリテーターがついてくれたこともあり、時間を空費することなく、参加者が意見や考えを話すことができたのではないかと思います。
・ファシリテーターがついてくれたこともあり、時間を空費することなく、参加者が意見や考えを話すことができたのではないかと思います。
【第45回大学職員オンラインセミナー】について
・三浦先生の豊富なご経験、その取り組むお考えがとても参考になりました。
・集中して、考えたり、参加者の皆様のご発言に耳を傾けることができて、充実した濃い時間でした。Zoomですと、参加者の方々と気軽に連絡先の交換ができないことは残念です。
・グランドルールを設定し、場の安全を守り、有意義な学びを得るための言動や考え方を明文化してくださりありがとうございました。
・集中して、考えたり、参加者の皆様のご発言に耳を傾けることができて、充実した濃い時間でした。Zoomですと、参加者の方々と気軽に連絡先の交換ができないことは残念です。
・グランドルールを設定し、場の安全を守り、有意義な学びを得るための言動や考え方を明文化してくださりありがとうございました。
【全体写真】
【大学職員セミナー企画委員】
<委員長>
神山 正之(立教大学入学センター)
<委員>
青木 加奈子(共愛学園前橋国際大学短期大学部事務局)
加藤 毅 (筑波大学大学研究センター准教授)
黒田 絵里香(慶應義塾塾監局総務部課長・協生環境推進室事務長)
田中 一平(法政大学学務部次長)
渡邊 正樹(中央大学学事部企画課課長)
神山 正之(立教大学入学センター)
<委員>
青木 加奈子(共愛学園前橋国際大学短期大学部事務局)
加藤 毅 (筑波大学大学研究センター准教授)
黒田 絵里香(慶應義塾塾監局総務部課長・協生環境推進室事務長)
田中 一平(法政大学学務部次長)
渡邊 正樹(中央大学学事部企画課課長)
お問い合わせ
公益財団法人 大学セミナーハウス セミナー事業部
〒192-0372 東京都八王子市下柚木1987-1
TEL:042-676-8512(直)FAX:042-676-1220(代)
E-mail:seminar@seminarhouse.or.jp
URL:https://iush.jp/
〒192-0372 東京都八王子市下柚木1987-1
TEL:042-676-8512(直)FAX:042-676-1220(代)
E-mail:seminar@seminarhouse.or.jp
URL:https://iush.jp/