セミナー・イベント

世界の中の中国と日本-現代中国理解Ⅶ
ポスト習近平時代を見据えて−転換期にある中国の現在と未来−

実施報告

期間 2026年1月10日(土)~11日(日)
会場 大学セミナーハウス(東京都八王子市下柚木1987-1)
主催 公益財団法人大学セミナーハウス

参加状況 8大学 23名  高校生 1名  社会人 3名 合計27名

学習院女子大学(11名)、慶応義塾大学(4名)、大東文化大学(2名)、上智大学(1名)、東海大学(1名)、東京大学(2名)、法政大学大学院(1名)、早稲田大学(1名)、角川ドワンゴ学園N高等学校(各1名)、社会人(3名)

【趣旨】

 現在、中国は大きな転換を迎えようとしています。それは政治外交、経済、社会など包括的なもの だと言えるでしょう。2025年、中国が転換期にあることが多くの場で示されました。米中関係はそれを加速させている、とも言えます。
それでは、どのような転換が生じているのでしょうか。第一に経済成長率が鈍化し、製造業中心の経済から高い技術に裏打ちされた効率的な経済へと転換が図られろうとしています。第二に人口減少、高齢化などを背景に社会構造が変化し、地方財政、社会保障制度など課題が山積しています。第三に、アメリカとの「競争」姿勢を内外に明確したこともあり、核兵器も含めた軍拡が一層加速し、軍事面での予算が増加しています。台湾統一という目標についても時間の経過の中で実現に近づいていることを示すことが求められています。第四に、国内政治の面では、2027年に始まる政権第4期を視野に、政権移行が視野に入ってきました。その前哨戦が国防・外交関連の人事でしょう。
これらの転換が何を意味するのか。政治、経済、社会、国際関係から掘り下げていこうとするのがこのセミナーです。どうぞ奮ってご参加ください。
(川島真企画委員長)

【開会】
開会の挨拶:大学セミナーハウス 荻上紘一理事長

開会の挨拶:荻上紘一理事長

開会の様子

 2018年に東京大学大学院の川島真先生のご尽力により、現代中国に関するセミナーをグローバルアカデミーセミナーとして開催することができました。以後、委員長の川島先生をはじめ、委員としてご尽力くださいました慶應義塾大学の小嶋華津子先生、学習院女子大学の今野純先生、大東文化大学の内藤二郎先生にご指導を賜り、本年で第7回を迎えるに至りましたこと厚く御礼申し上げます。 参加者の皆様から高い評価を頂戴し、第1回から毎回ご参加いただいている方もいらっしゃいます。私は中国が好きで、以前は毎年のように遊びに行っていましたが、最近は全く行っておりません。私にとっても、最近の中国は分かり難い国ですので、毎回このセミナーを覗かせて頂いて勉強しております。 今年度も、この二日間にわたる研修で参加者の皆さんが素晴らしい収穫を得て帰られることを心から願ってご挨拶といたします。

【基調講演】
テーマ:「ポスト習近平時代を見据えて−転換期にある中国の現在と未来−」
講演者: 川島 真(東京大学大学院教授・当セミナー企画委員長)

東京大学大学院教授・
企画委員長川島真先生

【講師紹介】川島 真(かわしま しん)東京大学大学院 教授
1968年東京生まれ。東京外国語大学卒、東京大学大学院人文社会系研究科(東洋史学)修士課程・博士課程修了。博士(文学)。1998年に北海道大学法学部助教授、2006年に東京大学大学院総合文化研究科准教授を経て、2015年より現職。専門はアジア政治外交史。

 

【パネルディスカッション】

左上:川島真先生  右上:金野純先生
左下:内藤二郎先生 右下:小嶋華津子先生

企画委員長の川島真先生から、開催趣旨に基づく講演があり、 4人の分科会講師による論点説明がありました。
下記4つのテーマを念頭に置いて、次の分科会討議に移行するにあたっての論点整理となりました。
◇テーマ1(第1分科会)
「政治」
◇テーマ2(第2分科会)
「社会」
◇テーマ3(第3分科会)
「経済」
◇テーマ4(第4分科会)
「国際関係+台湾」

参加者の方からは、「中国情勢について概観することができるだけでなく、分科会における議論の糸口になっていて、とても有意義な時間でした。」「現状の中国及び中国共産党について理解することができ、これからの中国の動向について深く観察していこうと思った。」との感想をいただきました。

【分科会討論】1/10(土)・1/11(日)

第1分科会

テーマ 「政治」
担当講師 小嶋 華津子先生(慶應義塾大学教授)

第1分科会主旨
 第一分科会では、中国の政治を扱います。2027年秋の第21回党大会に向けて、中国が「政治の季節」を迎えるなか、ポスト習近平をも見据えた人事の動向に、中国内外の関心が集まっています。しかし、メディアにあふれる情報は玉石混交で、中国の制度や社会のしくみを踏まえていない言論も少なくありません。
習近平総書記は「どのような(強い/弱い?)」指導者なのでしょうか?中国共産党とは「どのような」組織なのでしょうか?社会で暮らす人々は、「どのように」政治と関わっているのでしょうか?本分科会では、関心のある新聞記事を持ち寄り、その背後にある政治の営みを、皆で読み解いてみたいと思います。

 

第2分科会

テーマ 「社会」
担当講師 金野 純先生(学習院女子大学教授)

第2分科会主旨
 この分科会では、現代中国が抱える社会問題からアプローチするかたちで共産党政権の今後について考えてみたいと思います。中国の行方について考える際、私たちはその独特な政治体制に注目しがちです。しかし、中国には多くの社会的課題(人口減少、社会保障、環境破壊、民族対立、世代による政治的価値観の変化…等々)が山積しており、そうした諸課題への対応を誤れば政治の安定性が損なわれることになるでしょう。
本グループでは、講師が準備したコースパックに基づいて、こうした社会の諸課題についてより深く理解する機会を提供したいと考えています。最終的にはいくつかのグループに分かれて複数の社会問題を考察することで、一党独裁体制下における中国社会の持続的発展の可能性について、多様な視点から議論したいと思います。
 

第3分科会

テーマ 「経済」
担当講師 内藤 二郎先生(大東文化大学教授)

第3分科会主旨
 経済の低迷が続く中国は、不動産市場の調整や地方債務問題、少子高齢化・人口減少、若者の雇用不安など、多くの構造問題を抱えながら、「新しい質の生産力」、デジタル経済、環境改善(グリーン産業の推進)などを掲げ、経済再生を模索しています。一方で、米中摩擦の長期化は外部環境の不確実性を高めており、経済安全保障と成長の両立が課題となっています。戦後の経済秩序が大きな転換点を迎えている今、世界経済はどこへ向かうのか、そして中国経済の位置づけや役割はどうなるのか。本分科会では、最新の中国経済情勢と政策動向を検証・理解したうえで、自由な議論を通じて中国経済の行方と国際経済秩序への影響を展望したいと思います。

 

第4分科会

テーマ 「国際関係+台湾」
担当講師 川島 真先生(東京大学大学院教授)

第4分科会主旨
 この分科会では国際関係、台湾について扱います。中国の対外政策は、国内状況とまさに一体化しています。習近平が「国家の安全」を重視するあまり対外姿勢も硬化したことなどがその好例です。しかし、国際関係が面白いのは「相手がいる」こと、つまり国内と違って、中国の思い通りにはいかないということです。
 

【各分科会討論結果発表・総括講師コメント】1/11(日)

 分科会毎に、2日間討論した結果報告(20分)と質疑応答(10分)が行われました。

 参加者の方からは「限られた時間で一つのものを作り上げていく過程がとても良いと思います。 互いに補い合い、積極的に意見を出しあっていくことは日常生活では経験できないので、とても貴重な時間であると思います。」「対話による勉強が参考になった」「他の分科会の発表を聞くことができ、中国に関して多面的に学ぶことができた。」「準備が大変だったが成長した。」などの感想が寄せられました。

第1分科会最終報告

第2分科会最終報告

第3分科会最終報告

第4分科会最終報告

※左から 川島真先生・小嶋華津子先生・
     金野純先生・内藤二郎先生

 
【講評】
最後に、各講師に報告の補足コメントと、全体の講評をいただきました。


参加者の方からは、「4人の先生方から講評を頂くことができ、非常に有意義な時間だった。」「本セミナーで出会った皆が仲間である、というお言葉には、とても共感しました。」「各講師から次世代への熱いメッセージを頂き、参加者全員の心の中に永く残ると思います。」などの感想をいただきました。
 

【閉会】
閉会の挨拶:大学セミナーハウス 外村幸雄専務理事
修了書交付

閉会の挨拶:外村幸雄専務理事

大学セミナーハウス外村専務理事より閉会の挨拶があり閉会となりました。
その後に各分科会講師より、参加者に修了証書を交付していただきました。参加者の皆さんはそれぞれの分科会講師を囲み、修了証書を手に記念写真を撮影しました。

参加者の方からは「現代中国の内政と外交について深く理解することができ、今後の中国研究に関する大きな一助となった。」「様々な人と交流できて楽しかったです。」「このセミナーでしか味わえない感覚があるので、来年も参加したいです。」などの感想が寄せられました。

今回のセミナーには多くの方々にご参加いただき、ありがとうございました。
また、セミナーの企画から運営までご尽力いただき、2日間にわたって熱心に参加者と向き合っていただいた4人の講師の先生方に心より感謝申し上げます。

【記念撮影】1/10(土)

初日の基調講演・パネルディスカッションの後に講師の先生を囲んで

【参加者懇親会】1/10(土)

【各分科会毎に記念撮影】1/11(日)

第1分科会「政治」

第2分科会「社会」

第3分科会「経済」

第4分科会「国際関係+台湾」

「世界の中の中国と日本-現代中国理解Ⅶ」ショートムービー

「世界の中の中国と日本-現代中国理解Ⅶ」ショートムービー(38秒)

右の画像をクリックすると
38秒のショートムービーがご覧になれます。

現代中国理解セミナー企画委員会

川島 真【委員長 】(東京大学大学院総合文化研究科 教授)
小嶋 華津子(慶應義塾大学法学部 教授)
金野 純(学習院女子大学国際文化交流学部 教授)
内藤 二郎(大東文化大学経済学部 教授)

お問い合わせ

 公益財団法人 大学セミナーハウス セミナー事業部
〒192-0372 東京都八王子市下柚木1987-1
TEL:042-676-8512(直)FAX:042-676-1220(代)
E-mail:seminar@seminarhouse.or.jp
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