実施日	2014（平成26）年11月8日（土）・９日（日）
会場	大学セミナーハウス（東京都八王子市下柚木1987-1） ※交通案内はこちら
主催	公益財団法人大学セミナーハウス

松本（大下）郁子

2014年（平成26）11月8日（土）、9日（日）、大学セミナーハウスで古田武彦先生による「第11回古代史セミ ナー～古田武彦先生を囲んで～日本古代史新考自由自在（その7）」が行われた。元大学セミナーハウス館長荻上紘一先生のご立案で始まり、毎年恒例となっ たこの企画、今回で11回目となる。そして今回が最後だ。

古田先生も88歳の米寿の御年を迎えられた。その人生を生涯研究に捧げて来られた先生だが、「分からないことは分からない。だから私には何もこわくない」とおっしゃるお姿は全く変わらない。まさに「実るほど、首を垂れる稲穂かな」との感を強くした。

古田先生は「今日は人生にとって最も大事な日、人類の歴史にとっても大事な日になるだろう、と心の中で思っております」と述べられ、ご講演を始められた。

し かしセミナーの途中先生は「エネルギー切れ」を起こされ、思考が「一端停止」する状態となる一幕もあった。このようなお姿を見るのは、長年教えを乞うてい る私にとっても、今回が初めてであった。けれども力を振り絞って私達に“最後のメッセージ”を伝えようとして下さっているお姿に、逆に深い感銘を受けた。

後 日参加者の方々から頂いたアンケートには、「古田先生やご参加の皆様の所感の発言が目立って多すぎる」旨のご意見もあったが、「古田先生の生の声を聞くこ とができ、自分の生き方を考えることができました。皆様と同様に、私達が古田先生のようであったなら、世界は少しずつ変わっていくと思います。古代史の勉 強はまだまだですが、自分の周囲によい影響を与えられるようにありたいです」とのご感想も寄せられた。

古田先生は今年（2015年）の4月１日、積年の憧れの地、ギリシアに旅立たれるご予定だ。学生時代、村岡典嗣先生（東北大学）のお教えに従って日夜ギリシア語を学ばれていたという古田先生、その脚でギリシアのオリンポスの山下に立って頂けることを願っている。

最後に、このような素晴らしい企画を守り、育て続けて下さったセミナーハウスの職員の皆様に、心からお礼を申し上げたい。ありがとうございました。