セミナー・イベント

第46回 大学職員セミナー
2050年の大学と大学職員像を展望する
~『大学職員のリアル』著者と描く、あなたのキャリアのつくり方~

実施報告

期日 2025年10月17日(金)~10月18日(土)
会場 公益財団法人大学セミナーハウス
主催 公益財団法人大学セミナーハウス
後援 大学コンソーシアム八王子

参加状況 10校 13名

東洋大学(2)、東京大学(1)、関西国際大学(3)、京都女子大学(1)、立教大学(1)、長野県立大学(1)、桐蔭横浜大学(1)、日本工業大学(1)、名城大学(1)、筑紫女学園大学(1)

開催趣旨

18歳人口の減少という厳しい状況が続く中、大学で働く私たちには地域との共生、大学間連携、リカレント教育等様々な問題への対応が求められています。一方、AIを始めとする技術革新は、私たちの働き方を変えていくことになるのは間違いありません。このように先行きが見通せない中、私たちは大学人としてこれからをどう捉え、大学を支えていくためにどのようなスキルを身につけていくべきか、不安を感じている方も多いと思います。残念ですが、明確な解答、ビジョンを持つことは困難な状況です。しかし、これからの自身の働き方を、様々な観点から主体的に考えることは大切な一歩となります。
今回は『大学職員のリアル』の著者である倉部史記様を講師としてお迎えし、参加者の皆様と講義・ワークを通して、自らのキャリアを描くヒントとなるものを見出すことを目的として本セミナーを開催します。これからの大学を支えていく若手・中堅の皆様の参加をお待ちしています。
 

開会式

開会にあたり、山本眞一担当理事よりご挨拶をいただきました。

第1部 基調講演・ワーク&レクチャー
「今後の大学と、そこで必要な視点や力を考える」

研修の冒頭は、アイスブレイクとして「拍手回し」と自己紹介からスタートしました。
この活動を通して、
  • 相手をよく見る
  • リアクションを大きく
  • 目を見る
  • リズムを合わせる
  • 全身を使ってわかりやすく伝える
  • 少し離れて全体を俯瞰する
  • 手を事前に準備する(スタンバイ)
  • 相手のタイミングを待つ
  • まんべんなく順番が回るように配慮する
など、コミュニケーションにおける大切なポイントを体感的に学びました。
場の空気も和らぎ、共に時間を過ごす仲間としての絆が深まった30分となりました。
 
未来を見据えたキャリアの時間
続いてのセッションでは、「現在」と「2050年」を比較しながら、今後どのような力を身につければ「食べていける大学職員」になれるか?転職にも動じない「強みある人材」になるにはどうしたらよいか?という問いをテーマに、自分自身の未来について考える時間となりました。
「強み」で勝負することの重要性や、変化の激しい時代における自己成長の必要性など、これからのキャリア設計のきっかけとなるような、学び深い時間になりました。

第2部 自分を知るワーク
「あなたのキャリアについて考える」

第2部では、「自分を知る」ことをテーマに、キャリアを振り返るワークを行いました。
入職から現在までの間で、
  • 充実度が最も高かった時
  • 充実度が最も低かった時
を振り返り、表にまとめた上で、お互いに発表し合いました。
倉部氏の体験談を交えながら、自分にとって何が大切なのか、どのような価値観や行動の指針を持っているのかを見つめ直す時間となりました。
このワークを通じて、大学職員としてこれからの業務がより高度化・専門化していく中で、自分自身がどのように対応し、成長していくべきかを考えるきっかけを得ることができました。
 

第3部 グループワーク「今後の大学業界と、そこで必要な力を考える」

第3部では、グループワーク形式で未来の大学業界について意見を出し合いました。
具体的には、
  • 2028年・2035年・2050年における
    • 教育のあり方
    • 研究の姿
    • 学生募集の手法
    • 大学運営の形
    • 職員に求められる能力
などについて、グループで自由にディスカッションを行い、それぞれの意見を整理・共有しました。
メンバー同士がお互いの意見を尊重し合いながら、多様で具体的な意見が飛び交う活発な議論となりました。
大学業界の将来像を描くことで、これからの変化に柔軟に対応し、価値を発揮できる職員像について考える貴重な機会となりました。

情報交換会

神山委員長の乾杯のご発声により、情報交換会がスタートしました。
参加者同士がリラックスした雰囲気の中で交流し、普段はなかなか接点のない方々とも新たなつながりを築く時間となりました。
この場で生まれた「ウィークタイズ(弱い紐帯)」が、今後の業務やキャリアの中でふとした時に支えとなり、活きてくることを願っています。

第4部 パネルディスカッション

倉部先生をモデレーターにお迎えし、
山本担当理事、青木委員、黒田委員、渡邊委員をパネリストとして、パネルディスカッションが行われました。
それぞれの経歴や経験をふまえた実践的なお話を起点に、
  • 2050年の大学はどうあるべきか
  • これからの大学職員に求められる資質・能力とは何か
  • 職員として、今からできること・しておくと良いこと
といったテーマについて、多角的な視点から深掘りしていく時間となりました。
現場での具体的なエピソードや長期的な視座に触れることで、参加者一人ひとりが「自分にとってのキャリア」と真摯に向き合うきっかけとなる、非常に学びの多いセッションでした。

第5部 グループワーク
「理想の大学組織に向けたロードマップと、自分のキャリアを考える」

最終セッションでは、「理想の大学組織」と「自分自身のキャリア」を見据えたグループワークを実施しました。
参加者は、
  • 2028年・2035年・2050年までに実現したいこと
  • 形にしたいこと
  • 身につけたい力
  • 学びたいこと
  • 学内の仲間と挑戦してみたいこと
  • 学外の仲間と取り組んでみたいこと
について意見を出し合い、その後、共感できる意見にシールを貼るという共有作業を行いました。
「倉部先生くらいのプレゼン力を身につけたい」「職員から教員になる」「思ったことはすべて言える大学にしたい」といった意見が多くの共感を集め、会場に活気が生まれました。
 

全体共有・講評・総括・まとめ

ワークの後には、振り返りシートを使いながら、2日間の学びを個々に整理する時間が設けられました。
開始当初と比べて、参加者一人ひとりが臆することなく自分の意見を発信している姿が印象的であり、大きな成長を感じさせる場面でもありました。
最後には企画委員からの講評もあり、上司世代からの視点や経験に触れることで、今後のキャリアを考える上での新たな気づきやヒントが得られたことと思います。

倉部史記先生

神山正之(立教大学入学センター)【委員長】

青木加奈子(高崎健康福祉大学学長室参与)

加藤毅(筑波大学教学マネジメント室高等教育研究部門准教授)

黒田絵里香(慶応義塾塾監局総務部課長・協生環境推進室事務長)

田中一平(法政大学教育支援統括本部長・学務部長)

渡邊正樹(中央大学スポーツ情報学部(仮称)開設準備室事務長)

山本眞一(大学セミナーハウス担当理事)

【全体写真】

全員で記念撮影を行いました。

★大学職員セミナーショートムービー

「大学職員セミナー」ショートムービー

「大学職員セミナー」ショートムービーは写真をクリックして、ご覧ください。

【大学職員セミナー企画委員】

<委員長>
神山 正之(立教大学入学センター)
<委員>
青木 加奈子(高崎健康福祉大学学長室参与)
加藤 毅 (筑波大学教学マネジメント室高等教育研究部門准教授)
黒田 絵里香(慶応義塾塾監局総務部課長・協生環境推進室事務長)
田中 一平(法政大学教育支援統括本部長・学務部長)
渡邊 正樹(中央大学スポーツ情報学部(仮称)開設準備室事務長)

お問い合わせ

公益財団法人 大学セミナーハウス セミナー事業部
〒192-0372 東京都八王子市下柚木1987-1
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