第13回 EUセミナー
不確実化する世界におけるEUの真価
実施報告
| 期日 | 2025年10月10日 (金) ~12日(日) |
|---|---|
| 会場 | 大学セミナーハウス (東京都八王子市下柚木1987-1) |
| 主催 | 公益財団法人大学セミナーハウス |
| 後援 | 駐日欧州連合代表部 |
参加状況 6校 44名 社会人3名 合計 47名
立教大学(20名)、東海大学(11名)、日本大学(7名)、東洋英和女学院大学(3名)、拓殖大学(2名)、帝京大学(1名)
開催趣旨
トランプ第二次政権が開始されてから世界は混乱を極めている。「アメリカファースト」という単独行動で果たして同政権が目標とする「MAGA(偉大なアメリカの再生)」は実現するのか。「偉大さ」には信用や信頼が不可欠だ。「ディール」による合意はそうした暗黙の前提を揺るがすことになるのではないか。
当初よりEUは「準備はできている」と再三言明してきた。それは、トランプ高関税政策に対抗して、カナダ、メキシコ、中国、インドなどを含む諸国とのグローバルな多国間協力アプローチというEUの姿勢に明確だ。他方でウクライナ戦争への対応の文脈で、関連産業部門の発展と協力を前提にした共通防衛政策、「再軍備」の意志も明らかにしている。
トランプ政権誕生によって不確実性を増した世界で、EUは今後どのようなかじ取りを迫られるのか。皆さんと一緒に考えてみたい。
(企画委員長 渡邊啓貴 )
当初よりEUは「準備はできている」と再三言明してきた。それは、トランプ高関税政策に対抗して、カナダ、メキシコ、中国、インドなどを含む諸国とのグローバルな多国間協力アプローチというEUの姿勢に明確だ。他方でウクライナ戦争への対応の文脈で、関連産業部門の発展と協力を前提にした共通防衛政策、「再軍備」の意志も明らかにしている。
トランプ政権誕生によって不確実性を増した世界で、EUは今後どのようなかじ取りを迫られるのか。皆さんと一緒に考えてみたい。
(企画委員長 渡邊啓貴 )
INDEX
開会式 10月10日(金)

開会式模様
開会の挨拶:大学セミナーハウス荻上紘一理事長
【講師講義】 第1日目:10月10日
趣旨説明:渡邊啓貴先生
初めに渡邊啓貴企画委員長より、今年度のテーマ「不確実化する世界におけるEUの真価」についての趣旨説明がありました。
今年度は、分科会の各講師に各20分ずつの講義を2日に分けて行っていただきました。
第1日目は、第1分科会:渡邊啓貴先生、第2分科会:田中素香先生、第3分科会:蓮見雄先生、第4分科会:細井優子先生・昔農英明先生 (5名の先生に)
各分科会講師の講義は、分科会議論をさらに深堀していく話題となったようです。
今年度は、分科会の各講師に各20分ずつの講義を2日に分けて行っていただきました。
第1日目は、第1分科会:渡邊啓貴先生、第2分科会:田中素香先生、第3分科会:蓮見雄先生、第4分科会:細井優子先生・昔農英明先生 (5名の先生に)
各分科会講師の講義は、分科会議論をさらに深堀していく話題となったようです。
第1分科会:渡邊啓貴先生

第2分科会:田中素香先生
第3分科会:蓮見雄先生
第4分科会:細井優子先生
第4分科会:昔農英明先生
【講師講義】 第2日目:10月11日
第2日目は、第1分科会:小久保康之先生、第2分科会:太田瑞希子先生、第3分科会:中西優美子先生 (3名の先生に)
2日間の分科会講師の講義について、
参加者からは「第1分科会から第4分科会までの学ぶ内容について大まかに知ることができて良かったです。」「 それぞれの分科会の概要を短い時間で理解できてとても満足度が高かった。できれば次回からは講義に使用したスライドを共有してほしい。」との感想をいただきました。

第1分科会:小久保康之先生
第2分科会:太田瑞希子先生
第3分科会:中西優美子先生
【特別講演】10月11日(土)
| テーマ | “The EU and Japan- like-minded partners in a changing world” |
| 講演者 | 講演者:駐日欧州連合代表部(EU)公使/副代表 トーマス・ニョッキ氏 (Mr. Thomas Gnocchi Minister/Deputy Head of Delegation Delegation of the European Union to Japan) |
| 逐次通訳 | 鬼頭真理氏 |
駐日欧州連合代表部 公使 / 副代表
トーマス・ニョッキ氏
駐日欧州連合代表部(EU) 公使 / 副代表トーマス・ニョッキ氏より、
1.グローバルアクターとしてのEU
2.EUと日本
という2大トピックスについて、EUのグローバルな役割、ウクライナへのEUの支援、国際安全保障の提供、グリーンアライアンス、そして気候変動対策についての連帯と、多岐に渡る内容をお話しいただきました。
参加者からの質問について、一つ一つ丁寧な回答をいただきました。
参加者からは、
「EUのことについて深く知れて良かったです。」「昼食の時に近くに座らせてもらい、ご飯を食べながら私たちの質問に沢山答えてくれた。また機会があったら会いたいと思う。」「EUについての概要などよく知れました。ただ、もう少し狭い範囲で深い話をしても面白いかと思いました。」との感想をいただきました。
1.グローバルアクターとしてのEU
2.EUと日本
という2大トピックスについて、EUのグローバルな役割、ウクライナへのEUの支援、国際安全保障の提供、グリーンアライアンス、そして気候変動対策についての連帯と、多岐に渡る内容をお話しいただきました。
参加者からの質問について、一つ一つ丁寧な回答をいただきました。
参加者からは、
「EUのことについて深く知れて良かったです。」「昼食の時に近くに座らせてもらい、ご飯を食べながら私たちの質問に沢山答えてくれた。また機会があったら会いたいと思う。」「EUについての概要などよく知れました。ただ、もう少し狭い範囲で深い話をしても面白いかと思いました。」との感想をいただきました。
特別講演後の記念撮影

【分科会討論】10月10日(金)~12日(日)
EUセミナーは毎回各分科会の講師の先生から事前課題と参考資料が示され、参加者がセミナー開催までに資料を調べ、課題を考えたうえでセミナーに参加します。今年は次の四つの分科会に分かれて、それぞれ4回にわたって討議を展開しました。
今年は事前に準備してきた方が多く、課題を深く掘り下げて、報告会への検討を重ねられたようです。
今年は事前に準備してきた方が多く、課題を深く掘り下げて、報告会への検討を重ねられたようです。
第1分科会
| テーマ |
ウクライナ戦争とEUの戦略的自立
|
|---|---|
| 指導講師 |
渡邊 啓貴(帝京大学法学部教授、東京外国語大学名誉教授) 小久保 康之(東洋英和女学院大学国際社会学部教授) |
第1分科会討論模様
主旨:
ロシアがウクライナに軍事侵攻してから3年が経過した。EUおよびEU加盟国はウクライナに対して可能な限りの軍事・資金援助を行ってきた。米国トランプ政権の停戦調停に対して、プーチン大統領は応じる気配もなく、米国がウクライナ支援を継続するかどうかも定かではない。EU及びEU加盟諸国のみでウクライナ支援を続けることは可能なのか。軍事的安全保障面のみならず、EUには「戦略的自立」を目指すことが求められている。日々動いている国際情勢を睨みつつ、EUが抱える根本的な問題について参加者諸君と考えていきたい。
ロシアがウクライナに軍事侵攻してから3年が経過した。EUおよびEU加盟国はウクライナに対して可能な限りの軍事・資金援助を行ってきた。米国トランプ政権の停戦調停に対して、プーチン大統領は応じる気配もなく、米国がウクライナ支援を継続するかどうかも定かではない。EU及びEU加盟諸国のみでウクライナ支援を続けることは可能なのか。軍事的安全保障面のみならず、EUには「戦略的自立」を目指すことが求められている。日々動いている国際情勢を睨みつつ、EUが抱える根本的な問題について参加者諸君と考えていきたい。
第2分科会
| テーマ |
トランプ関税に対抗するEU:日EU連携の強化へ
|
|---|---|
| 指導講師 |
田中 素香(中央大学経済研究所客員研究員、東北大学名誉教授) 太田 瑞希子(日本大学経済学部准教授) |
第2分科会討論模様
主旨:
トランプ政権(第2次)は歴史を戦前へ逆転させる種々の攻撃を米国社会と世界に対して行っているが、経済面では関税政策である。鉄鋼・アルミ・自動車関税に続いて、7月に高率の「相互関税」を予定する。高率関税は第2次大戦の一因ともなった経済障壁で、日本・EU・その他世界への悪影響は計り知れない。
第2分科会では、関税とは何か、関税の歴史、第2次大戦後の関税引き下げの思想・制度・発展過程、トランプ関税のEUへの影響、日本が主導する自由貿易協定CPTPP、そしてトランプ関税に対する日EUの連携の強化について学ぶ。できれば、トランプの「EUの非関税障壁」攻撃にまで考察を伸ばしたい。
トランプ政権(第2次)は歴史を戦前へ逆転させる種々の攻撃を米国社会と世界に対して行っているが、経済面では関税政策である。鉄鋼・アルミ・自動車関税に続いて、7月に高率の「相互関税」を予定する。高率関税は第2次大戦の一因ともなった経済障壁で、日本・EU・その他世界への悪影響は計り知れない。
第2分科会では、関税とは何か、関税の歴史、第2次大戦後の関税引き下げの思想・制度・発展過程、トランプ関税のEUへの影響、日本が主導する自由貿易協定CPTPP、そしてトランプ関税に対する日EUの連携の強化について学ぶ。できれば、トランプの「EUの非関税障壁」攻撃にまで考察を伸ばしたい。
第3分科会
| テーマ |
グリーンで公正な経済社会を目指して―EUの産業戦略と域内市場戦略
|
|---|---|
| 指導講師 |
蓮見 雄(立教大学経済学部教授) 中西優美子(一橋大学大学院法学研究科教授) |
第3分科会討論模様
主旨:
EUは、GXとDXによる産業構造転換を通じて、公正で豊かな経済社会を実現することを目指して、欧州グリーンディールという名の成長戦略に取り組んでいる。不確実性を増す国際環境下において、その実現には域内外において公正な競争条件を確保することが必要であり、特にEU競争法を含めた域内市場戦略は重要な役割を果たす。そこで、第3分科会では、産業競争力強化を軸とした今後5年間のEU政策の羅針盤(「競争力コンパス」、「クリーン産業ディール」など)の展望と域内市場戦略の役割について考える。
EUは、GXとDXによる産業構造転換を通じて、公正で豊かな経済社会を実現することを目指して、欧州グリーンディールという名の成長戦略に取り組んでいる。不確実性を増す国際環境下において、その実現には域内外において公正な競争条件を確保することが必要であり、特にEU競争法を含めた域内市場戦略は重要な役割を果たす。そこで、第3分科会では、産業競争力強化を軸とした今後5年間のEU政策の羅針盤(「競争力コンパス」、「クリーン産業ディール」など)の展望と域内市場戦略の役割について考える。
第4分科会
| テーマ | 市民から見たEU |
|---|---|
| 指導講師 | 昔農 英明(明治大学文学部准教授) 細井 優子(拓殖大学政経学部教授) |
第4分科会討論模様
主旨:
EUでは東方拡大、欧州難民危機、ウクライナ戦争によって、多くの移民・難民を受け入れ、彼らの支援活動や社会統合を進めてきた。その背景には、EUが人間尊重、自由、民主主義、平等、法の支配、人権の保護を実現すべき理念として掲げていることがある。他方で、移民・難民の流入に伴い、EU加盟各国では排外主義的な右翼ポピュリスト政党が躍進している。このように、EUとその基本理念であるリベラルな価値観は高まる排外主義による挑戦を受けている。本分科会では、右翼拡大の政治的・社会的背景、右翼を支持する市民の意識やそうした排外主義に対抗するEU市民の動きを議論したい。
EUでは東方拡大、欧州難民危機、ウクライナ戦争によって、多くの移民・難民を受け入れ、彼らの支援活動や社会統合を進めてきた。その背景には、EUが人間尊重、自由、民主主義、平等、法の支配、人権の保護を実現すべき理念として掲げていることがある。他方で、移民・難民の流入に伴い、EU加盟各国では排外主義的な右翼ポピュリスト政党が躍進している。このように、EUとその基本理念であるリベラルな価値観は高まる排外主義による挑戦を受けている。本分科会では、右翼拡大の政治的・社会的背景、右翼を支持する市民の意識やそうした排外主義に対抗するEU市民の動きを議論したい。
【分科会中間報告会】10月11日(土)
中間報告では、タイムキーパーは、各分科会から選出された学生幹事が交代で担当しました。
最後に、各分科会講師より講評をいただきました

中間報告:第1分科会

中間報告:第2分科会

中間報告:第3分科会

中間報告:第4分科会
【分科会最終報告会】10月12日(日)
最終日の最後の全体会は、3日間、各分科会の課題を深く掘り下げ検討を重ねた結果を発表する場となりました。
各分科会報告後、活発な質疑応答が交わされ、最後は先生からの講評をいただき終了となりました。
なお、中間報告会・最終報告会の司会、タイムキーパーは、各分科会から選出された学生幹事が交代で担当しました。
【第1分科会】ウクライナ戦争とEUの戦略的自立
【第2分科会】トランプ関税に対抗するEU:日EU連携の強化へ
【第3分科会】グリーンで公正な経済社会を目指して―EUの産業戦略と域内市場戦略
【第4分科会】市民から見たEU
参加者からは、「他の分科会の発表を聞いてとても勉強になりました。」「発表の時間が短いです。」「報告については、どこの分科会についても、短い時間にも拘らず、「中間報告」のレベルとしては大変頑張って取り組んだ後が見られたと思いました。」などの感想をいただきました。
各分科会報告後、活発な質疑応答が交わされ、最後は先生からの講評をいただき終了となりました。
なお、中間報告会・最終報告会の司会、タイムキーパーは、各分科会から選出された学生幹事が交代で担当しました。
【第1分科会】ウクライナ戦争とEUの戦略的自立
【第2分科会】トランプ関税に対抗するEU:日EU連携の強化へ
【第3分科会】グリーンで公正な経済社会を目指して―EUの産業戦略と域内市場戦略
【第4分科会】市民から見たEU
参加者からは、「他の分科会の発表を聞いてとても勉強になりました。」「発表の時間が短いです。」「報告については、どこの分科会についても、短い時間にも拘らず、「中間報告」のレベルとしては大変頑張って取り組んだ後が見られたと思いました。」などの感想をいただきました。

最終報告:第1分科会

最終報告:第2分科会

最終報告:第3分科会

最終報告:第4分科会

渡邊啓貴先生

小久保康之先生

田中素香先生

太田瑞希子先生

蓮見雄先生

中西優美子先生

昔農英明先生

細井優子先生
【参加者懇談会】 10月11日(土)





【出席証明書交付】10月12日(日)
閉会の挨拶:
大学セミナーハウス外村専務理事
閉会式では、大学セミナーハウス外村専務理事からの挨拶があり、その後各分科会講師から第13回EUセミナー出席証明書が参加者全員に配られました。
参加者の皆さんはそれぞれの分科会講師を囲み、出席証明書を手に記念写真を撮影しました。
参加者の皆さんにはアンケートにご協力いただき、ありがとうございました。
ご回答いただきました方からは、「2泊3日という短い期間の中でグループごとに協力して1つのパワポを作って行くのはとても難しい部分もあったが、楽しみながら行うことができました。」「楽しみながらEUについて学ぶ事が出来て良かったです。」など、貴重なご意見を伺うことができました。
皆さんからいただいたご意見ご評価を参考に、より良いセミナーが開催できるよう努めてまいります。
参加者の皆さんはそれぞれの分科会講師を囲み、出席証明書を手に記念写真を撮影しました。
参加者の皆さんにはアンケートにご協力いただき、ありがとうございました。
ご回答いただきました方からは、「2泊3日という短い期間の中でグループごとに協力して1つのパワポを作って行くのはとても難しい部分もあったが、楽しみながら行うことができました。」「楽しみながらEUについて学ぶ事が出来て良かったです。」など、貴重なご意見を伺うことができました。
皆さんからいただいたご意見ご評価を参考に、より良いセミナーが開催できるよう努めてまいります。

第1分科会

第2分科会

第3分科会

第4分科会
第13回EUセミナーショートムービー
【EUセミナー企画委員】
<委員長>
渡邊 啓貴(帝京大学法学部教授・東京外国語大学名誉教授)
<委員>
太田 瑞希子(日本大学経済学部准教授)
小久保 康之(東洋英和女学院大学国際社会学部教授)
昔農 英明(明治大学文学部准教授)
田中 素香(中央大学経済研究所客員研究員・東北大学名誉教授)
中西 優美子(一橋大学大学院法学研究科教授)
蓮見 雄(立教大学経済学部教授)
細井 優子(拓殖大学政経学部教授)
渡邊 啓貴(帝京大学法学部教授・東京外国語大学名誉教授)
<委員>
太田 瑞希子(日本大学経済学部准教授)
小久保 康之(東洋英和女学院大学国際社会学部教授)
昔農 英明(明治大学文学部准教授)
田中 素香(中央大学経済研究所客員研究員・東北大学名誉教授)
中西 優美子(一橋大学大学院法学研究科教授)
蓮見 雄(立教大学経済学部教授)
細井 優子(拓殖大学政経学部教授)
お問い合わせ
公益財団法人 大学セミナーハウス セミナー事業部
〒192-0372 東京都八王子市下柚木1987-1
TEL:042-676-8512(直)FAX:042-676-1220(代)
E-mail:seminar@seminarhouse.or.jp
URL:https://iush.jp/
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TEL:042-676-8512(直)FAX:042-676-1220(代)
E-mail:seminar@seminarhouse.or.jp
URL:https://iush.jp/

