セミナー・イベント

第1回公開教育講座
私は「待つ」ことのできる教師(親)か――子どもは、「扱われた」ように他者を「扱う」――

実施報告

期間 2018年8月18日(土)・19日(日) 日帰り
場所 大学セミナーハウス (東京都八王子市下柚木1987-1)
主催 公益財団法人大学セミナーハウス

講師:安積力也

基督教独立学園高等学校 前校長
  日本聾話学校・恵泉女学園中高等学校 元校長
  敬和学園高等学校 元教頭
  著書『教育の力――「教育基本法」改訂下で、なおも貫きうるもの――』(岩波ブックレットNo.715)

趣旨

 「待てない」時代になった。「できるだけ早く、目に見える成果を!」の声が満ちている。親も教師も教育行政者も為政者も、「待つ力」を失ってしまった。
 そして、子どもや若者が異様に「素直」になった。「従順」になった。国全体の自殺率は下がっているのに、若者の自殺率は高止まりのままだ。若い世代の死因の第1が自殺なのは、先進国の中では日本のみ。
 いったい、何が起こっているのか。もしもその直接の原因が私たち親や教師の“在り方”にあるとしたら、今、私たちには何が問われているのか。
 キリスト教学校の教育現場を4つ生きる中で出会った生徒や親御さんの本当の「現実」と「真実」。そこを共に生きようとした私の、教師としての痛恨の失敗とそこから見えたもの。それをお話ししつつ、この問いを巡って、ささやかな問題提起をしたい。このセミナーを通して、この国の心ある教師の皆さんや親御さんの心に、真の子育てと「人間教育」への希望の灯が受け継がれていきますように。

実施報告

  2日にわたる日帰りセミナーは小規模ながら密度の高いセミナーとなった。講師・安積 力也氏はメインテーマのもと、初日は「私は、他者を受け入れているか」、2日目は「私は、自分と対話しているか、普遍の世界と対話しているか」をサブテーマに、教員としての人生を振り返っての講演をされた。講演後の沈黙の時間で思いを言葉に記す作業は、己を見つめる絶好の機会となり、その後の話し合いを深めることに繋がった。初日のグループ別の話し合いは深夜にまで及び、2日目の全員の話し合いも終了時間を超えるほどの盛り上がりとなった。参加者からは、「今の教育現場での多忙さ、息詰まりを感じていたので、リフレッシュする機会になった」、「深い所で自分に新しい発見をさせていただくことができるお話に感謝しかない。本当に参加させていただいて良かった」などの声が寄せられた

参加状況 :26名(教員13名、社会人6名、主婦3名、学生・生徒2名、その他2名)