憲法を学問するⅧ 『憲法と憲法学一1964~2024一』
日程 | 2024年11月23日(土)~24日(日)1泊2日 |
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参加対象 | 大学生(大学院生を含む)、社会人 |
開催形式 | 対面宿泊型セミナー |
定員 | 50 名 |
参加費 | 会員校学生 7,000円、一般校学生 9,000円、社会人 16,000円 ※宿泊費・食事費・消費税を含みます。 ※会員校リストはこちらへ |
お支払い方法 | ❶クレジットカード払い……後日お支払い用リンクをお送りいたします。 (VISA・MasterCard・JCB・AMRICANEXPRESS・ Diners Club International・Discover) ❷銀行振り込み……後日振込み先情報をお送りいたします。 |
会場 | 大学セミナーハウス(東京都八王子市下柚木1987-1) ※交通案内はこちら |
申込方法 | お申込みは終了いたしました。「憲法を学問するⅧ 申込みフォーム」 |
申込締切 | 2024年10月21日(月) |
主催 | 公益財団法人 大学セミナーハウス |
【開催趣旨】
今年の「憲法を学問する」は、本セミナーの founding father である樋口陽一先生の卒寿を記念して、学会デビュー作「『憲法変遷』の観念」思想484号(岩波書店、1964年)から今日に至るまでの、その永い先生の歩みを振り返りながら、「憲法と憲法学」の過去・現在・未来について考えてみよう、という企画である。
学徒出陣を経験した、小林直樹・芦部信喜ら戦後第1世代の研究者とは異なって、樋口陽一に代表される戦後第2世代の憲法学は、日本国憲法を自明視せず、突き放して認識しようと努めたところに特徴がある。とりわけ、各時代の憲法状況に対するあくまで醒めた現状認識と、これに対峙する知識人としての態度決定とを、一身において両立させる仕方について、樋口陽一ほど自覚的に省察した憲法学者は、他に誰もいないであろう。そうした屹立する学知の60年間を15年ごとに区切り、4人の講師がそれぞれの時代の代表作と格闘することを通じて、憲法と憲法学の抱える問題状況を、従来にはない仕方で明らかにしたいと考えている。
今回のセミナーの趣向は、それぞれの時代を、あえて講師の年齢とは逆の順序で、担当するところにある。それにより各講師は、自らの学生時代に最も熱心に取り組んだ樋口陽一とは違う「樋口陽一」に、出会うことができるはずであり、その驚きと違和感の率直な表明こそが、参加者ひとりひとりの問題意識を、それぞれに触発するに違いないからである。初めて講師全員で仙台を訪問して収録した、「卒寿の樋口陽一との対話」動画にも、ご期待いただきたい。
(「憲法を学問する」企画委員長 石川健治)
学徒出陣を経験した、小林直樹・芦部信喜ら戦後第1世代の研究者とは異なって、樋口陽一に代表される戦後第2世代の憲法学は、日本国憲法を自明視せず、突き放して認識しようと努めたところに特徴がある。とりわけ、各時代の憲法状況に対するあくまで醒めた現状認識と、これに対峙する知識人としての態度決定とを、一身において両立させる仕方について、樋口陽一ほど自覚的に省察した憲法学者は、他に誰もいないであろう。そうした屹立する学知の60年間を15年ごとに区切り、4人の講師がそれぞれの時代の代表作と格闘することを通じて、憲法と憲法学の抱える問題状況を、従来にはない仕方で明らかにしたいと考えている。
今回のセミナーの趣向は、それぞれの時代を、あえて講師の年齢とは逆の順序で、担当するところにある。それにより各講師は、自らの学生時代に最も熱心に取り組んだ樋口陽一とは違う「樋口陽一」に、出会うことができるはずであり、その驚きと違和感の率直な表明こそが、参加者ひとりひとりの問題意識を、それぞれに触発するに違いないからである。初めて講師全員で仙台を訪問して収録した、「卒寿の樋口陽一との対話」動画にも、ご期待いただきたい。
(「憲法を学問する」企画委員長 石川健治)
樋口陽一先生特別講義(事前視聴予定)
講師紹介:
1934年生まれ
東京大学・東北大学名誉教授
法学博士
パリ大学名誉博士
国際憲法学会名誉会長
日本学士院賞受賞(1975年)
レジオンドヌール勲章受勲
1934年生まれ
東京大学・東北大学名誉教授
法学博士
パリ大学名誉博士
国際憲法学会名誉会長
日本学士院賞受賞(1975年)
レジオンドヌール勲章受勲
【分科会】
第1分科会 『2009~2024年:抑止力としての憲法』
講師:石川 健治(東京大学法学部教授)
主旨:私が『抑止力としての憲法』(岩波書店)に取り組むのは、実はこれが初めての機会である。本格的な政権交代とその挫折、そして、樋口自身も被災者である東日本大震災を経て登場した、第2次安倍政権。あの「樋口陽一」をミカン箱に立たせた、非立憲的な長期政権のさなかに、この本は上梓された(2017年)。それにしても、樋口憲法学の到達点を示すはずの論集のタイトルが、何故『抑止力』でなければならなかったのか。師説はもはや自家薬籠中、という思い上がりがなかったわけではないが、そのタイトルの違和感が、この本を私から遠ざけてきた。これを機会に、樋口陽一と私自身の15年間に向き合ってみよう、というのが、本分科会のねらいである。
講師紹介:東京大学法学部卒。東京大学法学部助手、東京都立大学法学部助教授・同教授を経て、2003年より現職。
単著に、『自由と特権の距離──カール・シュミット「制度体保障」論・再考』(日本評論社、1999年/増補版・2007年)。共編著に、樋口陽一編『ホーンブック 憲法』(北樹出版、1993年/第2版、2000年)、石川健治編『学問/政治/憲法』(岩波書店、2014年)、長谷部恭男・宍戸常寿との共編『憲法判例百選Ⅰ、Ⅱ〔第7版〕』(有斐閣、2019年)、佐伯仁志・大村敦志編集代表『六法全書』(有斐閣)、など。第2分科会 『1994~2009年:「かのように」の憲法学』
講師:蟻川 恒正(日本大学大学院法務研究科教授)
主旨:フランス人権宣言が前提とする「人(homme)」と「市民(citoyen)」の区別は、これまで樋口陽一の憲法学が援用してきた様々な特色ある二項対立のなかでも、とりわけ樋口の憲法思考を活性化させる創造的資源のひとつとなってきたもののように思われる。しかも、どちらかといえば「市民」の側に関心が向きがちなこの二項対立にあって、樋口は、「人」を、議論の大前提とか、単なる出発点とかの位置に押し込めることをしなかった。最も変哲のない「人」の概念のなかに樋口が見、そして託したものは何であるのか。2009年に刊行された『憲法という作為──「人」と「市民」の連関と緊張』を精読しながら、ともに考えてみたい。
講師紹介:東京大学法学部卒。東京大学法学部助手、東北大学法学部教授、東京大学法学部教授等を経て、現職。
単書に『憲法的思惟──アメリカ憲法における「自然」と「知識」』(岩波書店、2016年)、『尊厳と身分──憲法的思惟と「日本」という問題』 (岩波書店、2016年)、『憲法解釈権力』(勁草書房、2020年)、 共編著に、蟻川恒正・木庭顕・樋口陽一編著『憲法の土壌を培養する』(日本評論社、2022年)共著に、樋口陽一ほか『新版 憲法判例を読みなおす──下級審判決からのアプローチ』(日本評論社、2011年)、雑誌連載に「プロト・ディシプリンとしての読むこと 憲法」第1回~第13回(『法学セミナー』(日本評論社)664号(2010年)~677号(2011年))、「起案講義憲法」第1回~第43回(『法学教室』 (有斐閣) 391号(2013年)~438号(2017年))、論文に「天皇の根本規範」『論究ジュリスト』(有斐閣)36号(2021年)、「『婚姻の自由』のパラドクス」(『法律時報』(日本評論社)1177号(2022年6月号)など。
講師紹介:東京大学法学部卒。東京大学法学部助手、東北大学法学部教授、東京大学法学部教授等を経て、現職。
単書に『憲法的思惟──アメリカ憲法における「自然」と「知識」』(岩波書店、2016年)、『尊厳と身分──憲法的思惟と「日本」という問題』 (岩波書店、2016年)、『憲法解釈権力』(勁草書房、2020年)、 共編著に、蟻川恒正・木庭顕・樋口陽一編著『憲法の土壌を培養する』(日本評論社、2022年)共著に、樋口陽一ほか『新版 憲法判例を読みなおす──下級審判決からのアプローチ』(日本評論社、2011年)、雑誌連載に「プロト・ディシプリンとしての読むこと 憲法」第1回~第13回(『法学セミナー』(日本評論社)664号(2010年)~677号(2011年))、「起案講義憲法」第1回~第43回(『法学教室』 (有斐閣) 391号(2013年)~438号(2017年))、論文に「天皇の根本規範」『論究ジュリスト』(有斐閣)36号(2021年)、「『婚姻の自由』のパラドクス」(『法律時報』(日本評論社)1177号(2022年6月号)など。
第3分科会 『1979~1994年:憲法史における1989年』
講師:宍戸 常寿(東京大学法学部教授)
主旨:この分科会では、「1989年」が憲法史上の特別の意味をもつか、もつとすればそれはなぜか、そうでなければ他に特権的な意味をもつ年があるのか等について、議論したいと思います。立憲主義の歴史においてそれぞれ重大な出来事のあった1689年・1789年・1889年との対比と、この1989年に前後する1979年~1994年が日本社会・そして憲法にとってどのような時期であったのか、現在にどう関わっているのかを、2024年の現時点で考えることで、日本憲法史についての多様なイメージを議論しながら描いていければと思っています。
講師紹介:1997年東京大学法学部卒業。同年東京大学大学院法学政治学助手、2000年東京都立大学法学部助教授、2005年首都大学東京法科大学院助教授、2007年一橋大学法学部准教授、2010年東京大学法学部准教授を経て、2013年より現職。
憲法・国法学・情報法。主要業績として『憲法裁判権の動態(増補版)』(弘文堂、2021年)、『憲法 解釈論の応用と展開(第2版)』(日本評論社、2014年)、『憲法学読本(第3版)』(共著、有斐閣、2018年)、『憲法学読本(第3版)』(共著、有斐閣、2018年)、『戦後憲法学の70年を語る』(共編著、日本評論社、2020年)、『憲法演習ノート(第2版)』(編著、弘文堂、2020年)、『18歳から考える人権(第2版)』(編著、法律文化社、2020年)、『法解釈入門(第2版)』(共著、有斐閣、2020年)、『法学入門』(共編著、有斐閣、2021年)等。
講師紹介:1997年東京大学法学部卒業。同年東京大学大学院法学政治学助手、2000年東京都立大学法学部助教授、2005年首都大学東京法科大学院助教授、2007年一橋大学法学部准教授、2010年東京大学法学部准教授を経て、2013年より現職。
憲法・国法学・情報法。主要業績として『憲法裁判権の動態(増補版)』(弘文堂、2021年)、『憲法 解釈論の応用と展開(第2版)』(日本評論社、2014年)、『憲法学読本(第3版)』(共著、有斐閣、2018年)、『憲法学読本(第3版)』(共著、有斐閣、2018年)、『戦後憲法学の70年を語る』(共編著、日本評論社、2020年)、『憲法演習ノート(第2版)』(編著、弘文堂、2020年)、『18歳から考える人権(第2版)』(編著、法律文化社、2020年)、『法解釈入門(第2版)』(共著、有斐閣、2020年)、『法学入門』(共編著、有斐閣、2021年)等。
第4分科会 『1964~1979年:共和国と民主政』
講師:木村 草太(東京都立大学法学部教授)
主旨:この分科会では、共和国と民主政をキーワードに、「フランスの第四共和政の崩壊の要因はどこにあるのか」、「第五共和政は、それをどう克服したと評価されているのか」、という問題を扱います。ここから、第五共和政の統治機構の存立基盤を考察することにしましょう。
具体的なテーマとしては、ライシテ(国家の脱宗教家・世俗化・政教分離)をめぐる二つの視点、行政府の民主化の形、議会制民主主義と直接民主制を基軸にします。
講師紹介:2003年、東京大学法学部卒業。同大学法学政治学研究科助手を経て、2006年より、首都大学東京准教授。2016年、同教授。
専攻は憲法学。平等権、代表制論、地方自治、憲法訴訟論などを研究。著書に、『平等なき平等条項論』(東京大学出版会)、『憲法の急所』(羽鳥書店)、『憲法の創造力』(NHK出版新書)、『キヨミズ准教授の法学入門』(星海社新書)、『テレビが伝えない憲法の話』(PHP新書)、『未完の憲法』(潮出版、奥平康弘氏と共著)、『憲法学再入門』(有斐閣、西村裕一氏と共著)、『憲法の条件』(NHK出版新書、大澤真幸氏と共著)。
具体的なテーマとしては、ライシテ(国家の脱宗教家・世俗化・政教分離)をめぐる二つの視点、行政府の民主化の形、議会制民主主義と直接民主制を基軸にします。
講師紹介:2003年、東京大学法学部卒業。同大学法学政治学研究科助手を経て、2006年より、首都大学東京准教授。2016年、同教授。
専攻は憲法学。平等権、代表制論、地方自治、憲法訴訟論などを研究。著書に、『平等なき平等条項論』(東京大学出版会)、『憲法の急所』(羽鳥書店)、『憲法の創造力』(NHK出版新書)、『キヨミズ准教授の法学入門』(星海社新書)、『テレビが伝えない憲法の話』(PHP新書)、『未完の憲法』(潮出版、奥平康弘氏と共著)、『憲法学再入門』(有斐閣、西村裕一氏と共著)、『憲法の条件』(NHK出版新書、大澤真幸氏と共著)。
プログラム
第1日目 11月23日(土)
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12:50~ | 受付 |
13:20~ | 開会 |
13:30~15:00 | 全体会Ⅰ パネルディスカッション(分科会講師) |
15:00~15:30 | オリエンテーション・宿泊室へ入室 |
15:30〜18:00 | 【分科会Ⅰ】 |
18:00~ | 夕食・フリートーク |
第2日目 11月24日(日)
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07:30~ | 朝食・宿泊室を退室 |
09:00~10:30 | 【分科会Ⅱ】 |
10:30~12:00 | 全体会Ⅱ 分科会報告 |
12:00~ | 昼食 |
13:00〜15:00 | 全体会Ⅲ 総括討論・質疑応答 |
15:10~15:30 | 閉会・記念撮影・解散 |
企画委員
石川 健治(東京大学法学部教授)企画委員長
蟻川 恒正(日本大学大学院法務研究科教授)
宍戸 常寿(東京大学法学部教授)
木村 草太(東京都立大学法学系教授)
蟻川 恒正(日本大学大学院法務研究科教授)
宍戸 常寿(東京大学法学部教授)
木村 草太(東京都立大学法学系教授)
お問い合わせ
公益財団法人 大学セミナーハウス セミナー事業部
〒192-0372 東京都八王子市下柚木1987-1
TEL:042-676-8512(直)FAX:042-676-1220(代)
E-mail:seminar@seminarhouse.or.jp
URL:https://iush.jp/
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E-mail:seminar@seminarhouse.or.jp
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