日本工学院八王子専門学校・建築学科の皆さまより
本館の模型を寄贈していただきました
本模型は、本館4階のブリッジへとつながる踊り場に展示しています。
製作を担当された学生の皆さんと先生
(後列左から)藤田巧さん、齋藤知輝さん、平井諒真さん、村田祐希先生
(前列左から)古川翔太さん、岸本柚月さん
届けられた模型は、構造はもちろん壁の模様まで丁寧に再現されており、床下の構造など見えないところまで作り込まれています。






学生の皆さんに製作の感想、将来の夢など語っていただきました
藤田 巧さん
階段を担当しました。ラウンジの階段が特殊でトラス構造をつなぎ合わせた形状をしており、BIMモデリングするのが大変でした。模型作りでは複雑な構造の再現を頑張りました。
将来、現場監督の仕事に就くのですが、どんな仕事でもこの人に任せたら大丈夫だと思ってもらえる信頼される人になりたいと思っています。そのためにわからないことは聞いたり、挑戦してみたりして、自分をどんどん成長させていきたいと思っています。
平井 諒真さん
見学時開口部担当で窓の計測など担当しました。本館は、上にいくほど広がって窓は斜めについており、外の景色がよく見えて、そこが面白く感じました。模型はラウンジ階段のトラスを作りましたが強度を改めて認識することができました。トラスに魅了されて、卒業制作では1970年の大阪万博のトラスの大屋根も作りました。
将来、現場監督に就くのですが、夢は大きな建物を作って、多くの人に笑顔になってもらいたい。そのためにまず、頼られる人になるのが必要と思っています。
齋藤 知輝さん
見学時は躯体班を担当しました。4階から1階へかけて見ていきましたが、長さが違ったり、建具の部分も特殊な構造のものであったり、飛び出ているものであったり、そこを建具班のメンバーと正しい寸法であるか確認しながら進めました。実際の作業は BIMを主体にやりましたが、BIMでやると寸法上どうしても合わなくて、隙間が生まれたりしてうまく組み立てられなかったのが苦労した面です。模型は、レーザーカッターで切り出されたものを付けました。セミナーハウス本館は、いままで自分が見たことのないものがあって苦労もあり、発見もありました。やってよかったなと思います。
将来、施工管理の現場にでますが、いろいろな人に聞かれてもすぐ受け答えできるような、信頼される人になりたい。さまざまな知識や経験が必要だけれど頑張りたいと思っています。一級建築士、一級施工管理技士などの資格もとっていきたいと思っています。
岸本 柚月さん
最初に図面をもらいそれを見てから本館に来たのですが、図面ではわからない収まり方であったり、実物から感じた迫力は図面の段階ではわからなかったことでした。実際訪れて、こうえぐれているんだとか、こう繋がっているんだとかがわかりました。作業に関しては、図面と実際に撮った写真で比べて、実際はこうなっているのに図面ではこう書かれているんだなとか結構あったりして、模型は実物に寄せて作っていったのですが考えていくのが楽しかったです。やってみてわかったことは、図面と実物とは結構違う、ということ。逆に、実物みてもわからない天井裏とかは図面を見て収まりとか考えました。なので、図面を見る力と実物見てここがこうなっているんだなという違いを考える力がついたかな、と思います。
将来、施工管理の職に就くのですが、いろんな人から頼られるような監督になりたいと思っています。ここどうしたらいいのか、などあれば聞いてもらえ、すぐ答えられる人になりたい。そのために資格をとったり、経験を積んでいきたい。いま1級建築士をとろうと思っています。
古川 翔太さん
自分は窓とか、建具を担当することになっていたので、どこに窓があって、どこに扉があるというのを事前に確認していたのですが、実際来てみたら窓が予想外に高く、それは本館の形状から来ているのだなと理解できました。模型作りは、窓のサッシの形状をつくるのが難しかったです。外壁も担当しましたが、模様などディテールを再現するのが結構難しかったです。
通して思ったのは、実際来てみないと建物の形状とか分からないし、再現するのも大事だけど、考えることも大事ということ。見るところはしっかり見て、見て考える、考えるところはしっかり考えるというのが大事だなと感じました。
将来、施工管理を務めますが、信頼される人になりたい。多くの人が使う建物、大きな建物に携われればよいと思っています。
建築学科4年生コースの4年生の正規の授業でこの課題に取り組みました。設計をする子、セミナーハウスの研究をする子2グループに分かれてやったのですが、思いのほかセミナーハウスの研究に参加する子が多くて、研究学科にはおおよそ90名いるのですが、そのうち50名の学生がこの課題を選びました。建築学科4年生は、学士取得をめざすコースと2年生コースから編入してきて上がってきているコースとがありますが、学士コースの子が38、9名、編入コースの学生が10余名。学士コースと編入コースと2つに分けて、学士コースはBIMモデルに力を入れて、編入コースは建築士の資格をめざしてた子たちなので、BIMが不慣れなこともあり、模型作りに力を入れて、それぞれ得意分野を生かせるようにしてありました。
現場調査することを予定していたので、まず学校の実習室を測りました。コンセントの位置、照明の位置、照明が何灯あって、どれくらいのピッチが付いているかなど結構詳細なところまで、平面図、展開図に落とし込ませて、トレーニングしていきました。ここ大学セミナーハウス本館にゴールデンウイーク前に訪れ、皆で担当エリアを決めて測りました。それを持ち帰って、図面化、BIMモデル化した上で、そのモデルを活用した上で、レーザーカッターを活用して模型を作っていきました。そういう流れです。時間的にはだいたい週2回、だいたい6.7週くらいかけて授業では取り組んだのですが、ここにいるメンバーはそれだけでは足りないと、放課後も残って、レーザーカッターや模型作りに取り組みました。できるだけその授業期間内に終えて、それを評価したかったのですが、それでは時間が足りない、もっとこだわりたいという彼らの熱意があって、夏休み期間中に取り組んだりして、大幅に遅れてしまい、9月くらいに完成したのですが、クオリティの高い模型ができたことは教育成果につながったと言えます。最初は総勢10余名で模型に取り組んでいたのですが、就職が先に決まった6名が主に関わってきました。
皆この3月で卒業し、就職先の現場に出ます。不安半分、期待半分でしょうけれど、ここにいる学生のように建設業界に希望をもって入ってくれる人がいると嬉しいですし、ロマンもあり、やりがいも大きいので、まずは建物一棟管理して引き渡して、そこからどんどんステップアップしていってほしいと願っています。
