日本女子大学OGの皆さまが、大学セミナーハウス設立功労者、上代タノ先生を記念する上代池を訪ねてくださいました。

大学セミナーハウス 上代池

当施設には、設立の功労者の名を冠したモニュメントがあります。佐藤峠、かや橋、大浜岬、上代池です。

このうち上代池は、当時、日本女子大学の学長を務められていた上代タノ先生を記念して作られたものです。上代先生は、1886年島根県に生まれ、日本女子大学を卒業後、成瀬仁蔵先生、新渡戸稲造先生の協力を得て3度海外へ留学。帰国後、日本の女子高等教育、平和運動のパイオニアとして活躍された女性です。当施設の設立にも大きく貢献してくださいました。

昨年、卒業生の方々が上代池を訪ねられ、その感想がOG会報「桜楓新報」に掲載されました。ご許可をいただき、ここに転載させていただきます。


「大学セミナーハウスの「上代池」を訪ねて

八王子の大学セミナーハウスに「上代池」があることを、ご存知でしょうか。
上代タノ先生は1960年代の本学学長時代に、日本の国立・公立・私立と分かれている大学制度のもとでは、大学間の交流が少ないこと、高等教育が次第にマンモス化していくことを憂慮されていました。ちょうどその頃、教師と学生の心の交流を図る、合宿研修センターの構想が持ち上がり、上代先生は強く共感されて、この構想の実現にご尽力されました。その結果、1965年7月、八王子市にセミナーハウスが開館したのです。
その3年後、創立の功労者のお一人、上代タノ先生への感謝のしるしとして、セミナーハウスの敷地内に上代池が造られました。その時、先生から「あまり仰々しいのはやめてください」とのお申し出があったそうです。
昨秋、卒業以来ひさびさに、セミナーハウスを訪れた折、「上代池」の存在を知り、探してみました。残念ながら、足場が悪く、そばに近づくことはできませんでしたが、「Dining Hallやまゆり」の脇に当時のままひっそりとある上代池を目にして、上代先生の設立時の想いに触れた気がいたしました。
セミナーハウス設立から50年経った現在、在校生や卒業生が「上代池」の辺に佇んで、上代先生の教えを思い起こすことができれば、と願っております。
なお、現在、セミナーハウスでは、上代池周辺の整備を計画中とのことです。
(新19回生 谷中寿子、西村恭子、片桐祥子)」


ご協力いただきありがとうございました。