理事長就任のご挨拶

理事長 荻上紘一

理事長 荻上紘一

この度、理事長を拝命致しましたが、これは私にとって全く想定外の出来事でした。私は2004年から2013年まで館長を務め、その後4年間理事を務めたことにより、「所定の課程」を修了して「卒業証書」を頂くはずでしたが、卒業判定の結果「留年」を命じられることになりました。
大学セミナーハウスは、「思想は高潔に、生活は簡素に(Plain Living and High Thinking)」を理念として、1965年に開館しました。「思想は高潔に(High Thinking)」は古今東西を通じて全ての人に期待される、即ち「不易」であるのに対して、「生活は簡素に(Plain Living)」の内容は時代と共に変化する、即ち「流行」であると思います。
昔は、宿泊研修施設が少なかったために、供給側が優位にありましたが、やがてあちこちに同種の施設が新設され、前世紀末頃から立場が逆転し、利用者が施設を選ぶ時代になりました。その様な中で、セミナーハウスの提供する「Plain Living」が40年間変化しなかったために、特に女子学生達から敬遠されてしまいました。
私自身も現役教員の時には、学生の研修等で毎年セミナーハウスを「利用させて頂き」ました。その頃のセミナーハウスは、開館当時のままの「Plain Living」に加えて、「サービス」という概念はなかったようです。
2004年当時と比べると、留学生会館、さくら館、多目的広場、新食堂棟「やまゆり」等が新設され、既存の施設も改修されるなどハード面の充実が図られ、時代に即した「Plain Living」が提供出来るようになりました。一方、ソフト面においても、利用者のニーズにきめ細かく応える「サービス」の提供が定着してきたと思います。
約7ヘクタールの緑豊かな敷地に建つ大学セミナーハウスは、森林浴をしながら寝食を共にして「High Thinking」を実践出来る場です。
多くの皆様に「自分達の宿泊研修施設」として気軽に利用して頂き、「来年も利用したい」といって頂けるセミナーハウスを目指して尽力したいと思います。