ご利用者の声

電気通信大学・上野研究室

2014年5月16日~18日ご利用

いわゆるネット情報とそれを支えるデジタル技術のお陰様で学術叡智も産業規模もその量とスピードを大進化させた一方、 しばし目先に留まりがちで肝心の「器」が矮小化したように思えてしまいます。すでにギリシア・ローマ時代に生まれたアカデミズムや共和・民主協議方法に比べ、現代の理工学分野で生み出されている科学真理と先端技術の高度さに比べ、私たちひとりひとりはどれくらい進歩したのだろうか、と。
私たち専門家がわずか20歳台の若者たちにこれらの科学技術・人文社会および大規模産業を引き渡そうとしても彼ら彼女らが難しすぎる(多すぎる)と尻込みしてしまってむしろ当然で、たくさんのmass-〇〇で足りることではなく、それらの「質」こそ生命線な筈でした。学術環境・学習環境をシステム化しても何かが欠けているように思いますし、先人たちはその不充分さを理性的に認識していたと思います。”1965年”という激動期に生み出され、大学構内でも学会でもそのホテルでもないこの合宿セミナー施設の主旨は、たとえ50年を経ても100年を経ても変わることのない普遍的な願望や熱意ではないかと感じています。非力な私自身を棚に上げましたが、今回は何回目だったか少人数の大学院研究室学生達を引き連れ、光工学研究プロジェクト類その他何でも2泊2日あれやこれや対話と雑談を終えて先程解散し、そのまま当地で少々堅い思索を書き留めました。日常から離れた2日間のお陰で今回はカナダ・マギル大学院博士課程在学中の旧知のアジア学生Noor君と久しぶり電話会談したり、フランスから首都大に来てインターンシップ開始したばかりだという物理専攻学生Mathieu君に出会って語らいました。
50年を経てもまだまだこれからと、ここセミナーハウスに集まる様々な分野の皆さまのご活躍ご発展を願っています!
(電気通信大学教授 上野芳康)

上野先生(後列右)と研究室の皆さま
(2014/5/18 本館前にて)

上野先生、毎年、定期的にご利用いただき、また、千人会の会員としても当ハウスを長年ご支援いただきまして、誠にありがとうございます。また、この度は、合宿でお疲れのところ、すてきなメッセージをお寄せいただきまして、ありがとうございました。セミナーハウスを評価いただける上野先生のような先生方のお声を大切にし、そのお声に相応しいセミナーハウスであり続けるように、職員一同、精一杯、努力して参ります。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
 (大学セミナーハウス・職員一同)