これまで6年間、夏期集中授業“ものづくりワークショップ”を八王子セミナーハウスで開講させていただいておりますが、今年より、新入生オリエンテーションのプログラムを一新し、一泊二日で実施しました。無事にかつ円滑に実施することができましたこと、八王子セミナーハウスの皆様に御礼申しあげます。
さて、そのオリエンテーションの内容について少々紹介致します。4月8日の入学式から2日後の4月10日11時に現地集合。4月2日のガイダンス日から数えても一週間あまりしか経っていないこの時期に、船橋から約60 km離れた野猿峠で現地集合は少し不安でしたが、それはまったくの杞憂でした。97名のほぼ全員がそろい、まずは昼食前に名札づくりを行いました。だだしここで課したルールは“隣席のクラスメイトに作ってもらうこと”。近い番号の学生とは実験や設計製図などで常に勉学を共にすることになりますから、数ヶ月も隣番の人と話したこともない、なんてことがないように、話すきっかけになればとの思いで実施しました。
そして午後には、名札を作った友人を紹介する“他己紹介”と、グループごとにA4用紙50枚を駆使して高さを競う“ペーパータワー”を実施しました。ペーパータワーでは、6人ずつ16のチームに分かれ、最初の5分間は用紙に手を触れずにアイデアを出し合い、その後15分の作成時間を設け、かなりの盛り上がりを見せました。そして夕食後は自由時間。宿泊する部屋にはテレビがないので、新しい友人とゆっくり語ることができたのではないでしょうか。
翌4月11日は、敷地内の建築見学ツアーを実施。見学に先立ち、大学セミナー・ハウスの構想と計画、講堂のシェル構造のしくみと環境についてのミニレクチャーを行いました。その後各グループに分かれ、引率の先生による専門の立場からみた解説を交えて1時間ほど見学させていただきました。春の新緑とさくらをはじめとした美しい花々がきらきらと光る敷地のなかを散策しながら、点在する各施設の異なる機能とかたちをゆっくりと見学することができました。そして昼食後に現地解散。4月11日は金曜日、一足早く迎えた週末に、新しくできた友人と寄り道をしてほしいといった意向を学生はよく理解してくれたようです。
大学に戻り週明けに実施したアンケートには、5段階の満足度調査で約8割の学生が5の満足と答え、さらに「オリエンテーションで良かったことは何か」との問いには、約半数の学生が「友人ができた」との回答が得られました。また、宿泊施設は清潔でよかった、食事がとてもおいしかったとの回答も複数ありました。今回初めての実施でしたが、スムーズかつオリエンテーションの目的を達することできたのは、八王子セミナーハウススタッフの皆様によるバックアップの賜物です。重ねて御礼申しあげます。

いつも、当ハウスをご利用いただきありがとうございます。この度は、お忙しいところ当日の様子がとてもよく分かる文章並びにお写真をご提供いただきまして本当にありがとうございました。丁度、桜が美しい頃にお越しいただけて、建築だけではなく自然の美しさもご堪能いただけたようで、ほっといたしました。また、2日間のオリエンテーションの中に、先生方の様々な工夫やご苦労があることを改めて知ることができました。寝食を共にして深まった友情を大切に、これから素晴らしい学生生活を過していただけたらと思っております。次回のご来館を、職員一同、お待ち申しあげております。