第2回新任教員研修セミナー
実施報告
期間 | 2012年9月3日(月)~5日(水) 2泊3日 |
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場所 | 大学セミナーハウス (東京都八王子市下柚木1987-1) |
主催 | 公益財団法人大学セミナーハウス |
共催 | 公益社団法人学術・文化・産業ネットワーク多摩 |
趣旨
各大学では、それぞれの実情に応じて、様々なタイプの新任教員研修が実施されていますが、実際に行われている授業の教育内容にまで踏み込んだ研修を実施している大学は希であるように思われます。一般論としては、各授業の教育内容は、各大学の建学の理念(教育目的)、各教育課程の到達目標、その授業のカリキュラム上の位置と、その授業を受ける学生の平均的学力と当該学問分野に関する既習の知識・技能との関係によって定まると言うことができます。
しかし、ユニバーサル・アクセスの時代を迎えた現在の大学には、たとえば、入学者選抜方法の多様化による平均的学生層の学力と学習意欲の低下、学習に集中できない学生の増加、就職活動の長期化に伴う実質的な学習時間の減少、卒業生の資質(即戦力)に対する社会的要請の高まり、長期不況下の就職難による学生の目的喪失など、シラバスの作成や実際の授業実施に際して考慮すべき多くの困難が介在しています。私たち大学教員は毎日の授業の中で、恐らく20年前の教員なら予想することも出来ないような事態に直面し当惑していると言えましょう。
周知のように、大学教員研修の重要な課題の一つとして授業開発があり、主として教育方法に関する研修が行われてきました。しかし、この種の研修が念頭に置いていたのは、主として知識・技能伝達型授業であり、いかにして学生に一定程度の知識・技能を習得させるかを直接の目的としていたように思われます。
これに対して、ユニバーサル・アクセスの時代の授業開発の目的は、いかにして種々の困難を克服して学生の学習意欲を高め、能動的に授業に参加させるかにおく必要があるように思われます。
言い換えれば、中央教育審議会の答申等に見られるように、自ら問題を発見してそれを解決するという課題探求能力の育成が、現在の大学教育の課題とされています。しかし、この課題を解決するためには、まず眼前の様々な困難を実践的に克服しなければなりません。そして、そのための適切な方策は、何よりも 同じ悩みを共有する同僚教員の相互研修であると考えます。
大学セミナーハウスは、大学教員相互の交流を図ることによってわが国の大学教育の向上・発展に寄与することを目的としていますが、このたび(社)学術・文化・産業ネットワーク多摩との共催で国公私立大学 の枠を越えた合宿形式の新任教員研修を企画しました。
今回のセミナーの主要な目的は、(1)ユニバーサル・アクセスの時代の大学教員にふさわしい教育方法をある程度身につけること、(2)所属大学(学部)の教育目的と受講学生の能力とニーズに見合った内容を持つ授業を構想し実施するための必要最小限の能力を習得することにあります。さらに、(3)前期(春学期)の授業に対する学生の授業評価に基づいて、学生が不満に思う事項を改善するための実行可能な方策を見出すことを具体的な到達目標とします。
しかし、ユニバーサル・アクセスの時代を迎えた現在の大学には、たとえば、入学者選抜方法の多様化による平均的学生層の学力と学習意欲の低下、学習に集中できない学生の増加、就職活動の長期化に伴う実質的な学習時間の減少、卒業生の資質(即戦力)に対する社会的要請の高まり、長期不況下の就職難による学生の目的喪失など、シラバスの作成や実際の授業実施に際して考慮すべき多くの困難が介在しています。私たち大学教員は毎日の授業の中で、恐らく20年前の教員なら予想することも出来ないような事態に直面し当惑していると言えましょう。
周知のように、大学教員研修の重要な課題の一つとして授業開発があり、主として教育方法に関する研修が行われてきました。しかし、この種の研修が念頭に置いていたのは、主として知識・技能伝達型授業であり、いかにして学生に一定程度の知識・技能を習得させるかを直接の目的としていたように思われます。
これに対して、ユニバーサル・アクセスの時代の授業開発の目的は、いかにして種々の困難を克服して学生の学習意欲を高め、能動的に授業に参加させるかにおく必要があるように思われます。
言い換えれば、中央教育審議会の答申等に見られるように、自ら問題を発見してそれを解決するという課題探求能力の育成が、現在の大学教育の課題とされています。しかし、この課題を解決するためには、まず眼前の様々な困難を実践的に克服しなければなりません。そして、そのための適切な方策は、何よりも 同じ悩みを共有する同僚教員の相互研修であると考えます。
大学セミナーハウスは、大学教員相互の交流を図ることによってわが国の大学教育の向上・発展に寄与することを目的としていますが、このたび(社)学術・文化・産業ネットワーク多摩との共催で国公私立大学 の枠を越えた合宿形式の新任教員研修を企画しました。
今回のセミナーの主要な目的は、(1)ユニバーサル・アクセスの時代の大学教員にふさわしい教育方法をある程度身につけること、(2)所属大学(学部)の教育目的と受講学生の能力とニーズに見合った内容を持つ授業を構想し実施するための必要最小限の能力を習得することにあります。さらに、(3)前期(春学期)の授業に対する学生の授業評価に基づいて、学生が不満に思う事項を改善するための実行可能な方策を見出すことを具体的な到達目標とします。
参加状況
大妻女子大学(5)、桜美林大学(2)、電気通信大学(2)、明星大学(2)、日本女子大学(1)、椙山女学園大学(7)、札幌市立大学(4)、社会医学技術学院(3)、沖縄県立看護大学(2)、志學館大学(2)、麗澤大学(2)、鹿児島大学(1)、神奈川大学(1)、関西福祉科学大学(1)、九州歯科大学(1)、西南女学院大学(1)、同志社大学(1)、ノートルダム清心女子大学(1)、兵庫医療大学(1)、広島修道大学(1)、森ノ宮医療大学(1)(計42名、21校)
◆ 当 日 の 様 子 ◆
開会挨拶
新任教員への呼びかけ
参加者自己紹介・グループ討論1
シンポジウム:現代学生論
シラバスと授業設計
大人数教室での効果的な授業運営方法
学生参加型授業の実践
学生授業アンケートを授業改善に活かす
グループ討論2
セミナーハウス・カフェ
パネルディスカッション 大学教員に必要な資質とは
修了証授与
集合写真
◆講 師 陣 ◆
小川 哲生 | |||
【経歴】 | |||
早稲田大学(博士課程)、明星大学講師・助教授・教授、人文学部長、副学長を経て、現在は同大学学長 | |||
【専門領域】 教育学(教育思想) | |||
【主な活動や著書】 | |||
(社)学術・文化・産業ネットワーク多摩会長他。 『教育方法学』、『社会教育課題研究』など |
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村山 光子 | 【経歴】 | ||
中央大学総合政策研究科修了後、民間企業から明星大学へ転職。明星大学秘書課、学生支援センター等を経て、現在は学生サポートセンター長 | |||
【専門領域】 | |||
学生支援、学生相談、発達障害者支援(産業カウンセラー、スチューデントコンサルタント) | |||
【主な活動や著書】 | |||
2007年から発達障害を有する学生の支援「STARTプログラム」を運営。各大学のFD/SD研修会講師などを担当。 | |||
井下 理 | 【経歴】 | ||
シカゴ大学M.A.慶應義塾大学大学院博士課程修了。東京国際大学助教授、慶應義塾大学総合政策学部助教授を経て、1995年より教授。慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部元部長。 | |||
【専門領域】 | |||
社会心理学、教育心理学、マーケティング・コミュニケーション | |||
【主な活動や著書】 | |||
大学教育学会常任理事、京都大学高等教育研究開発推進センター非常勤講師及び外部協力者他。『グループ・インタビューの技法』、『非営利組織のマーケティング戦略』、『ソーシャルマーケティング』など | |||
荒木 晶子 | 【経歴】 | ||
サンフランシスコ州立大学大学院(コミュニケーション修士)、スタンフォード大学客員研究員を経て、現在は桜美林大学リベラルアーツ学群・教授 | |||
【専門領域】 | |||
スピーチコミュニケーション、異文化こコミュニケーション | |||
【主な活動や著書】 | |||
『自己表現力の教室』、『口語表現ワークブック』、『異文化コミュニケーション・ワークブック』、『異文化接触の心理学』『自分を活かすコミュニケーション力』など |
◆ 運 営 委 員 ◆
荻上 紘一 (委員長) |
【経歴】 | |
東京都立大学教授、同理学部長、同総長、大学評価・学位授与機構教授 | ||
【専門領域】 | ||
元数学者、現在は大学評価の実務 | ||
【主な活動や著書】 | ||
中央教育審議会委員、大学設置審議会委員、独立行政法人評価委員会委員等を歴任 | ||
生田 茂 | 【経歴】 | |
東京都立大学、筑波大学を経て、現在は大妻女子大学社会情報学部教授 | ||
【専門領域】 | ||
教科教育(理科、情報)、特別支援教育、教育工学 | ||
【主な活動や著書】 | ||
音声や動画を活用した「困り感」をもつ児童生徒の自立活動,学習支援の活動 | ||
坂井 昭宏 | 【経歴】 | |
千葉大学教養部教授(哲学)、北海道大学大学院研究科倫理学講座教授を経て、現在は桜美林大学教授(倫理学) | ||
【専門領域】 | ||
哲学・倫理学 | ||
【主な活動や著書】 | ||
国立大学協会専門委員、大学教育学会副会長、大学評価・学位授与機構専門委員、日本学術振興会審査会委員等を歴任。『安楽死か尊厳死か』(編著)、『バイオエシックスの展望』(共編著)、『雑学3分間ビジュアル図解シリーズ 哲学』(共監)、『イラストでわかるやさしい哲学』(監修)、『現代倫理学』など | ||
菊地 滋夫 | 【経歴】 | |
東京都立大学博士(社会人類学)、明星大学教授、同学長補佐 | ||
【専門領域】 | ||
東アフリカ海岸地方の宗教・権力・ジェンダーについての社会人類学的研究 | ||
【主な活動や著書】 | ||
日本文化人類学会、日本アフリカ学会、日本ナイル・エチオピア学会、初年次教育学会会員。『文化人類学を再考する』(共著)、『アフリカの都市的世界』(共著)、『呪術化するモダニティ』(共著)など。 | ||
林 祐司 | 【経歴】 | |
京都大学博士(経済学)、首都大学東京大学教育センター准教授 | ||
【専門領域】 | ||
社会政策論、労働経済論、キャリア形成 | ||
【主な活動や著書】 | ||
『正社員就職とマッチング・システム』など | ||
井上 史子 | 【経歴】 | |
タイ国 Eastern Asia University大学院(教育学博士)、立命館大学教育開発推進機構講師を経て、現在は帝京大学高等教育開発センター准教授 | ||
【専門領域】 | ||
教育工学、高等教育 | ||
【主な活動や著書】 | ||
大学教員の職能に関する研究およびFD研修プログラムの開発、『相互理解を深めるコミュニケーション実践学』(共著)、『情報教育の理論と実践』(共著)など | ||
史 傑 (Shi,Jie) |
【経歴】 | |
中国、シンガポールの大学を経て、国際基督教大学で教鞭を執った後、現在電気通信大学情報理工学部教授(英語) | ||
【専門領域】 | ||
英語教育学(カリキュラムデザイン)、社会言語学(バイリンガリズム)、ESP(専門分野のための英語教育)、FD/PD (Faculty Development/Professional Development) | ||
【主な活動や著書】 | ||
全国語学教育学会、大学英語教育学会、アジア英語学会、IEEE-PCS、国際マルチリガリズム学会会員。「近年の中国高等教育政策の改革」、「理工系大学生のためのEFLカリキュラムデザインの実践とジレンマ」、「日本におけるマルチ |