セミナー・イベント

憲法を学問するⅥ 「転換期の国際憲法?」

日程 2022年10月1日(土)~2日(日)1泊2日
参加対象 大学生(大学院生を含む)、社会人
参加費 ◆オンラインの方は、分科会には参加できません
会員校学生【対面】6,000円【オンライン】1,000円
一般校学生【対面】7,000円【オンライン】2,000円
社会人【対面】15,000円【オンライン】6,000円
※【対面】宿泊・食事・受講費、消費税を含みます。
※会員校リストはこちらへ
お支払い方法 ❶クレジットカード払い……後日お支払い用リンクをお送りいたします。
(VISA・MasterCard・JCB・AMRICANEXPRESS・ Diners Club International・Discover)
❷銀行振り込み……後日振込み先情報をお送りいたします。
会場 大学セミナーハウス(東京都八王子市下柚木1987-1)
※交通案内はこちら
申込方法 お申込みは、「憲法を学問するⅥ」終了しました。
定員 50名 
申込締切 2022年9月20日(火)
主催 公益財団法人 大学セミナーハウス
●当法人は新型コロナ感染症対策として様々な取り組みを行っております。
 詳しくはこちらをご覧ください。

●オンラインでの参加は、下記【分科会】には参加できません。
10月1日(土)15:30~18:00 【分科会Ⅰ】
10月2日(日)  9:00~10:30 【分科会Ⅱ】

【開催趣旨】

 複数の国にまたがる私人間の法律問題を規律するルールを、国際私法といいます。しかし、そうした国際私法的規定は、世界市民法としてではなく、各国の私法上に現れるのが、国際社会の現状です。国際社会の緊密化とともに、次第に国際的な公序が発達してきたとはいえ、国際私法の統一性は、いまなお各国の国家法どうしの「調和」に依存しています。
 同様にして、複数の国にまたがる、軍事・外交あるいは人権・環境などに関する憲法的ルールを国際憲法と呼ぶとすれば、その主要な存在形式(いわゆる法源)は、依然として各国の国家法としての憲法です。国際立憲主義のスローガンにもかかわらず、国際憲法は、各国憲法どうしのハーモナイゼーションに期待せざるを得ません(参照、ボリス・ミルキヌ=ゲツェヴィチ[小田滋・樋口陽一訳]『憲法の国際化』有信堂)。「全世界の国民が、平和のうちに生存する権利を有すること」を確認した前文や、将来の「調和」を展望し平和な国際社会のファースト・ペンギンたらんと志した9条や、かつて君主が独占した外交権の民主化を実現した69条や73条は、日本国憲法における国際憲法的規定の代表です。
 2022年2月24日、ロシアのウクライナへの侵攻により国際憲法上の調和が破壊され、グローバリズムの夢も雲散霧消したかに見えるなかで、日本を含む各国の国際憲法的規定の運命は、いま世界史の荒波に大きく揺さぶられています。今年の「憲法を学問するⅥ」は、そこにフォーカスして、憲法と憲法学の過去・現在・未来を、みなさんとともに考えます。(石川健治企画委員長)

樋口陽一先生特別講義(事前視聴予定)

講師紹介:
1934年生まれ
東京大学・東北大学名誉教授
法学博士
パリ大学名誉博士
国際憲法学会名誉会長
日本学士院賞受賞(1975年)
レジオンドヌール勲章受勲

【分科会】

第1分科会  国際紛争の平和的解決と憲法

講師:石川 健治(東京大学法学部教授)

講師紹介:東京大学法学部卒。東京大学法学部助手、東京都立大学法学部助教授・同教授を経て、2003年より現職。
単著に、『自由と特権の距離──カール・シュミット「制度体保障」論・再考』(日本評論社、1999年/増補版・2007年)。共編著に、樋口陽一編『ホーンブック 憲法』(北樹出版、1993年/第2版、2000年)、石川健治編『学問/政治/憲法』(岩波書店、2014年)、長谷部恭男・宍戸常寿との共編『憲法判例百選Ⅰ、Ⅱ〔第7版〕』(有斐閣、2019年)、佐伯仁志・大村敦志編集代表『六法全書』(有斐閣)、など。本分科会の内容に関連するものとしては、「コスモス――京城学派公法学の光芒」酒井哲哉編・岩波講座『「帝国」日本の学知1――「帝国」編成の系譜』(岩波書店、2006年)171頁以下、特に213頁註3、「『国際憲法』再論――憲法の国際化と国際法の憲法化の間」ジュリスト1387号(2009年10月15日号)24頁以下、「時局と法学者」法学教室419号(2015年8月号)1頁、「国民主権と天皇制――視点としての『京城』」姜尚中ほか『明治維新150年を考える』(集英社新書、2017年)163頁以下、「解説」鵜飼信成『憲法』(岩波文庫、2022年)369頁以下、特に401頁註5、などがある。


主旨:昨年の「憲法を学問するⅤ」でとりあげた樋口陽一『憲法』は、その索引に「国際憲法」の語が登場する例外的なテキストである。同名の原題をもつ仏文著書を、後の国際司法裁判所裁判官、小田滋と共訳した体験がその背景にあるのは、いうまでもない。しかし、それ以上に、戦前は京城帝国大学、戦後は東北大学で活躍した国際法学者・祖川武夫が、樋口にとっての学問上のメンターであり続けた事実が、昨年も指摘された樋口憲法学と国際法学との親和性を示唆している(参照、祖川武夫論文集『国際法と戦争違法化――その論理構造と歴史性』[信山社、2004年])。
 祖川は、戦前は国際法学者、戦後は世界的な国際政治学者として活躍したハンス・モーゲンソーの研究から入り、国際紛争の平和的解決の制度を、国際政治の現実との緊張関係において追究した人である。国連憲章における集団的自衛権の観念や、日米安保条約・日韓基本条約に対しても、批判的な検討を加えた。この祖川が樋口に与えた学問上の影響の探求を通して、標題の主題に迫ろうというのが、第1分科会の狙いである。
第2分科会  戦争・武力行使と憲法

講師:蟻川 恒正(日本大学大学院法務研究科教授)

講師紹介:東京大学法学部卒。東京大学法学部助手、東北大学法学部教授、東京大学法学部教授等を経て、現職。
単書に『憲法的思惟──アメリカ憲法における「自然」と「知識」』(岩波書店、2016年)、『尊厳と身分──憲法的思惟と「日本」という問題』 (岩波書店、2016年)、『憲法解釈権力』(勁草書房、2020年)、 共編著に、蟻川恒正・木庭顕・樋口陽一編著『憲法の土壌を培養する』(日本評論社、2022年)共著に、樋口陽一ほか『新版 憲法判例を読みなおす──下級審判決からのアプローチ』(日本評論社、2011年)、雑誌連載に「プロト・ディシプリンとしての読むこと 憲法」第1回~第13回(『法学セミナー』(日本評論社)664号(2010年)~677号(2011年))、「起案講義憲法」第1回~第43回(『法学教室』 (有斐閣) 391号(2013年)~438号(2017年))、論文に「天皇の根本規範」『論究ジュリスト』(有斐閣)36号(2021年)、「『婚姻の自由』のパラドクス」(『法律時報』(日本評論社)1177号(2022年6月号)など。


主旨:一国の政治過程における窮極の事態というべき戦争の開始は、先行する国際紛争にどれだけ切迫性があるかにかかわらず、国際問題としての側面と同時に国内問題としての側面をも有している。
むしろ現代の戦争は、対外的側面と対内的側面とが接合する事象として捉えるのでなければ、その構造的本質を見誤るおそれがある。1931年以降15年にわたって続けられた日本の対外侵略は、この両側面の結合がもたらした破滅的帰結である(今日のロシアによるウクライナ侵攻にも同じ結合が看取される)。
現代の戦争についてのこうした把握を憲法論の地平に引き直すと、いかなることがいえるであろうか。例えばこのような事柄について、皆さんとともに考えていきたい。
第3分科会  憲法と国際法の関係

講師:宍戸 常寿(東京大学法学部教授)

講師紹介:1997年東京大学法学部卒業。同年東京大学大学院法学政治学助手、2000年東京都立大学法学部助教授、2005年首都大学東京法科大学院助教授、2007年一橋大学法学部准教授、2010年東京大学法学部准教授を経て、2013年より現職。
憲法・国法学・情報法。主要業績として『憲法裁判権の動態(増補版)』(弘文堂、2021年)、『憲法 解釈論の応用と展開(第2版)』(日本評論社、2014年)、『憲法学読本(第3版)』(共著、有斐閣、2018年)、『憲法学読本(第3版)』(共著、有斐閣、2018年)、『戦後憲法学の70年を語る』(共編著、日本評論社、2020年)、『憲法演習ノート(第2版)』(編著、弘文堂、2020年)、『18歳から考える人権(第2版)』(編著、法律文化社、2020年)、『法解釈入門(第2版)』(共著、有斐閣、2020年)、『法学入門』(共編著、有斐閣、2021年)等。


主旨:日本の憲法史を振り返ればわかるとおり、一国の立憲的憲法は、国際法秩序を離れて理解することができません。憲法と国際法の理論的関係は、日本国憲法の制定をどのように理解するかにも関わってきました。さらには国際法の変化は、憲法の運用や解釈を、ついには憲法典をも変えていくかもしれません。様々な二国間・多国間の枠組が形成され、国際公益が実現される過程と、一国の政治プロセスを規律する憲法とがどのように関わるのか。国際人権法やSDGsのような国際的な規範の生成は、日本国憲法と果たして順接の関係にあるのか。こうした点を、東西冷戦終結から30年、グローバル化が曲がり角にあるとされる2022年の時点で議論してみたいと思います。
第4分科会  統治行為としての経済政策

講師:木村 草太(東京都立大学法学部教授)

講師紹介:2003年、東京大学法学部卒業。同大学法学政治学研究科助手を経て、2006年より、首都大学東京准教授。2016年、同教授。
専攻は憲法学。平等権、代表制論、地方自治、憲法訴訟論などを研究。著書に、『平等なき平等条項論』(東京大学出版会)、『憲法の急所』(羽鳥書店)、『憲法の創造力』(NHK出版新書)、『キヨミズ准教授の法学入門』(星海社新書)、『テレビが伝えない憲法の話』(PHP新書)、『未完の憲法』(潮出版、奥平康弘氏と共著)、『憲法学再入門』(有斐閣、西村裕一氏と共著)、『憲法の条件』(NHK出版新書、大澤真幸氏と共著)。


主旨:現今の状況の中で、「政治に対する法的統制はできるだけ少ない方がよい」という主張が見られる。また、「政治に対する法的統制は不可能だ」という議論も見られる。この分科会では、「国民意識」に言及するいくつかの判決、統治行為に関する憲法理論を検討し、経済政策や国際経済秩序の形成が、一国の統治構造の中でどのように位置づけられるかを検討してみたい。
 樋口陽一「比較憲法論から見た日本の裁判官制度像」、「〈批判的峻別論〉の可能性」、宍戸常寿「統治行為論について」、蟻川恒正「『婚姻の自由』のパラドクス」、石川健治「憲法・経済・秩序」の各論考が特に参照される。

プログラム

第1日目  10月1日(土)
12:50~ 受付
13:20~ 開会
13:30~15:00 全体会Ⅰ パネルディスカッション(分科会講師)
15:00~15:30 オリエンテーション
15:30〜18:00 【分科会Ⅰ】
18:00~ 夕食・フリートーク
第2日目  10月2日(日)
07:30~ 朝食・チェックアウト
09:00~10:30 【分科会Ⅱ】
10:30~12:00 全体会Ⅱ 分科会報告
12:00~ 昼食
13:00〜15:00 全体会Ⅲ 総括討論・質疑応答
15:10~15:30 記念撮影・閉会・解散

企画委員

石川 健治(東京大学法学部教授)企画委員長
蟻川 恒正(日本大学大学院法務研究科教授)
宍戸 常寿(東京大学法学部教授)
木村 草太(東京都立大学法学系教授)

お問い合わせ

公益財団法人 大学セミナーハウス セミナー事業部
〒192-0372 東京都八王子市下柚木1987-1
TEL:042-676-8512(直)FAX:042-676-1220(代)
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