セミナー・イベント

第7回EUセミナー「分裂に立ち向かうEU」
2018年9月28日(金)~9月30日(日)開催

開催要項

期日 2018年9月28日(金)~30日(日)2泊3日
募集対象 大学生、留学生、高校生、社会人
募集人員 70名(先着順)
参加費 会員校学生(講師ゼミ生を含む)10,000円、一般校12,000円、留学生8,000円(バイリンガルセッション参加者のみ)、高校生5,000円、社会人14,000円
会場 大学セミナーハウス(東京都八王子市下柚木1987-1)
※交通案内はこちら
申込 申込フォームに必要事項をご入力いただき、お申込ください。
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申込締切 2018年9月20日(木)
主催 公益財団法人 大学セミナーハウス
後援 駐日欧州連合代表部

趣旨

  昨年のフランスやオランダの選挙ではポピュリズム勢力の躍進は抑えられた。しかしドイツや中欧諸国ではそうならず、今年3月のイタリア議会選挙では左右ポピュリストの勢力拡大が顕著となった。その背景にはEU諸国における既存の政治体制に対する強い反発があった。加盟各国内部での社会経済格差、そして加盟国間の「南北格差(貧富格差)」が人々の不満として噴出した結果である。EUの緊縮財政政策や難民保護政策は人々の批判の標的となった。今回のセミナーはEU全体を覆うさまざまな分裂をテーマとして、その原因と克服について議論したいと思います。皆さんの積極的な参加を期待します。
(EUセミナー企画委員長 渡邊啓貴)

特別講演

講演テーマ:EUの今後(仮)
講演者:フランチェスコ・フィニ氏(駐日欧州連合代表部 公使・副代表)
講演日時:9月29日(土) 10:30~12:00

 

第1分科会
テーマ:拡大する格差と不均衡にどう立ち向かうか
講 師:太田 瑞希子先生
    田中 素香先生

  第1分科会主旨、事前課題、参考文献は次の通りです。

 EUの格差拡大は、①加盟国内部の所得格差、②加盟国間格差(具体的には北・西欧と南欧、北・西欧と東欧)、の2つの次元で現れている。①は各国内にポピュリズムを生み出し、Brexitの要因ともなった。②は北・西欧主導に対する南欧・東欧諸国の反発となって現れている(ポピュリズムにも影響)。単一市場統合と単一通貨ユーロは、とりわけリーマン危機後に格差拡大に作用した。EU予算を通じる所得再分配能力は限定的であり、このままではEUの存続に関わる危機を引き起こしかねない。
本分科会では、加盟国内部および加盟国間の格差拡大の諸要因を確認し、加盟国・EU双方のレベルでの解決策を模索する。

 

第2分科会
テーマ:持続可能な社会を目指すEU―電気自動車(EV)戦略を中心に―
講 師:蓮見 雄先生
    中西 優美子先生

  第2分科会主旨、事前課題、参考文献は次の通りです。

 持続可能性(sustainability)という言葉そのものは、もはや目新しいものではない。だが、それは、しばしば「自然を大切に」といったフレーズに単純化されがちである。最近、耳にするようになったEVについても「人と地球に優しい」といったイメージで語られることが多い。しかし、「国連の持続可能な開発のための2030年アジェンダ」を見ると、持続可能性もEVも、これまでの社会のあり方そのものを根本的に組み替えるような大きな変革を示唆していることがわかる。EVの発展は、単に技術の問題ではなく、社会インフラやライフスタイルの変化とも深くつながっている。
 そこで、この分科会では、最初に持続可能な社会に関する基礎知識を確認した上で、次にそれを実現するためのEU戦略を概観し、最後にEUのEV戦略に焦点を当てて、持続可能な社会の実現の可能性について広い視野から議論をしていきたい。
 
目を通しておくべき資料(点数は多いですが、いずれも日本語、及び英語の短い概説です)。
1)< >http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/000241482.pdf
2) Next steps for a sustainable European future - European action for sustainability: Questions & Answers
http://europa.eu/rapid/press-release_MEMO-16-3886_en.htm
3) EU MAG 「EUが目指すエネルギー同盟とは?」 http://eumag.jp/questions/f0215/
4) 「欧州のEVの導入状況」 http://www.jsim.or.jp/kaigai/1612/003.pdf
5) ジェトロ「EUの電気自動車に関する政策」
https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07000707/eu_policy_for_ev.pdf
6) ジェトロ、「欧州各国の電気自動車(EV) への取り組み1、2」
https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07000740/uk_de_fr_ev.pdf
https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07000740/it_es_nl_ch_at_ev.pdf
7) IEA「世界の電気自動車の見通し(2017)」レポートの概要
http://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/es/page25_001146.html
8) みずほ銀行「自動車電動化の新時代」
https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/bizinfo/industry/sangyou/pdf/mif_205.pdf#page=1&zoom=auto,-17,548
9) Driving Clean Mobility: Questions & Answers http://europa.eu/rapid/press-release_MEMO-17-4243_en.pdf
10) Energy Union: Commission takes action to reinforce EU's global leadership in clean vehicles
https://ec.europa.eu/transport/modes/road/news/2017-11-08-driving-clean-mobility_en
11)  EXECUTIVE SUMMARY OF THE IMPACT ASSESSMENT, SWD/2017/0367 final
http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:52017SC0367&from=EN
12) 統計資料 Energym transport and environmenta indicators 2017 edition
13) 風間智英(編者) 『EVシフト』 東洋経済新報社 2018年
14) Yumiko Nakanishi, “Chapter Environmental Law”, in Robert Brinkmann and Sandra Garren (ed.), The Palgrave Handbook of Sustainability: Case Studies and Practical Solutions, Palgrave Macmillian, 2018 forthcoming. 
 

第3分科会
テーマ:EUの民主的ガバナンスと制度改革
講 師:福田 耕治先生
    武田 健先生

  第3分科会主旨、事前課題、参考文献は次の通りです。

 EU市場統合は、国境を越えて新しい機会を創出し,経済的利益をもたらす効果が認められた。しかし他方では,財政危機と社会保護費の削減を背景に、欧州社会と国民が分断され、国際テロリズムや越境組織犯罪の脅威のリスクも高まった。欧州各国で貧富の格差拡大や反EUを訴えるポピュリズムの台頭など、政治社会の不安定化も無視できない。移民・難民、高齢者、障碍者、女性などの社会的排除も問題となっている現在、本分科会では、欧州デモクラシーの在り方、EUの機構と社会政策、社会保護・社会的包摂政策などに焦点を当て、EU統合のガバナンスと制度改革の課題について多角的に議論してみたい。

事前課題
ユーロ危機とBrexit以後、欧州の政治社会はどのように変容してきたのか、EUと加盟国はいかなる対応策をとり、制度改革の方向にあるのかを調べ、パワーポイントで6スライド程度にまとめておくこと。

参考文献
日本EU学会年報のWEB掲載論文、EU駐日代表部駐部や外務省のHPなどを参照のこと。
福田耕治編著著(2016)『改訂版・EU・欧州統合研究』成文堂
福田耕治編著著(2016)『EUの連帯とリスクガバナンス』成文堂
福原宏幸他編著(2015)『ユーロ危機と欧州福祉レジームの変容』明石書店

第4分科会
テーマ:EU内パワー・ポリティクス
講 師:小久保康之先生
    渡邊 啓貴先生

第4分科会主旨、事前課題、参考文献は次の通りです。

 EU統合はユーロ危機を乗り越えた後も今一つ加速化しない。反EUポピュリズムの盛り上がりや統合牽引車を担ってきたメルケル独政権の影響力の低下がその背景にある。BREXITのゆくえが明確ではないことも、EU統合に対する不安を大きくしている。こうした中で当然EU加盟国間での角逐も見られる。豊かな西欧と南欧・東欧各国との間での「南北対立」と「東西対立」の根底には、EU統合の深化に対する思惑の違いがあり、それは各加盟国内部での摩擦と連動する形で、EU内でのパワー・ポリティックスの様相を呈している。本分科会では、ユーロ、常設防衛機構、ポピュリズム、移民・難民政策、統合ビジョンなどを論点としつつ、加盟各国間のEU政策をめぐる摩擦について具体的に考察し、EU統合の行方について議論する。

事前課題
以下の3点について、それぞれA4・1枚程度にまとめたものを当日持参し、分科会で口頭報告できるようにしておくこと。パワーポイントによる報告準備があれば、なお望ましい。
①EU加盟国の対EU政策の特徴を歴史的観点からまとめておくこと。
②EU内においてどのような対立軸が現在顕著に見られるのか考察すること。
③欧州各国におけるポピュリズムの動きがEUの内部対立にどのような影響を及ぼしているのか考察すること。

参考文献
小久保康之編『EU統合を読む』春風社、2016年
渡邊啓貴『大西洋同盟史(仮)』中央公論新書(2018年8月出版予定)
渡邊啓貴編『ヨーロッパ国際関係史(新版)』有斐閣、2008年
大島美穂『国家・地域・民族』勁草書房、2007年
「焦点:苦悩する欧州」『国際問題』4月号(2017年)、日本国際問題研究所
庄司克宏『欧州ポピュリズム-EU分断は避けられるか』ちくま新書、2018年

その他、最新の欧州各国情勢については、インターネットなどで調べること。



 

第5分科会
テーマ:Confronting the Threat of Popular Nationalism: EU Identity Sharing Project
講 師:押村 高先生

   第5分科会主旨、事前課題、参考文献は次の通りです。
 
  For further EU consolidation to be possible, populations of its member states need to forge an overarching European identity, given that the rise of popular nationalism everywhere in Europe has now become a major threat to the EU operations.
    This discussion group focuses on how the concept of European identity has been formulated as one of the EU policy goals, by reviewing the identity sharing projects that the EU successfully or unsuccessfully launched, such as the drawing up of the EU Charter of Fundamental Rights, EU initiative on cultural and educational co-operations, EU common media policy, and the EU’s project of inventing ‘European values’.
 
※As discussion is mainly conducted in English (supplementarily in Japanese), students who have joined the group are supposed to have a good command of English.
※討論は主に英語で行われ、本セクションの参加者は英語の討論能力を有しているものとみなされます。
 
Reading suggestions:
-Eurobarometer 83 (spring 2015): European Citizenship, http://ec.europa.eu/commfrontoffice/publicopinion/archives/eb/eb83/eb83_citizen_en.pdf
-European Commission, Communication on Strengthening European Identity through Education and Culture,
https://ec.europa.eu/commission/sites/beta-political/files/communication-strengthening-european-identity-education-culture_en.pdf
 

開催当日プログラム(予定)

■1日目 9月28日(金)  
17:00~ 受付……………………………………… (本館1階ロビー)
17:30~ 講師打ち合わせ (やまゆり)
18:00~18:45(45) 夕食……………………………………… (やまゆり)
19:00~20:45(105) 開会・全体会(1)
(パネル・ディスカッション)…………
大学セミナーハウス館長挨拶
EUセミナー企画委員長趣旨説明
 
(講堂)
20:45~20:50(5) オリエンテーション…………………… (〃)
21:00~22:30(90) 分科会討論(1) ………………………… (各セミナー室)
■2日目 9月29日(土)  
8:00~9:00(60) 朝食(食堂は7:30からオープン)……… (やまゆり)
8:45~9:15(30) 学生幹事会連絡会……………………… (やまゆり)
9:15~10:25(70) 分科会討論(2) ………………………… (各セミナー室)
10:30~12:00(90) 特別講演…………………………………
講師(フランチェスコ・フィニ氏 駐日欧州連合代表部 公使・副代表
   司会(EUセミナー企画委員長)
(講堂)
12:00~13:00(60) 記念撮影…………………………………
昼食(大使と学生の懇談)………………
(講堂)
(やまゆり)
13:00~16:00(180) 分科会討論(3) ………………………… (各セミナー室)
16:15~18:00(105) 全体会(2)(分科会中間報告会)………
司会(学生)
(講堂)
18:00~18:45(45) 夕食……………………………………… (やまゆり)
19:00~21:30(150) 分科会討論(4) ………………………… (各セミナー室)
21:30~ 情報交換会……………………………… (講堂)
■3日目 9月30日(日)  
8:00~9:00(60) 朝食・チェックアウト…………………
(食堂は7:30からオープン)
(やまゆり)
9:30~12:00(150) 分科会討論(5) ………………………… (各セミナー室)
12:00~13:00(60) 昼食………………………………… (やまゆり)
13:00~15:30(150) 全体会(3) ………………………………
司会(学生)
(講堂)
 
15:30~ 修了証授与・閉会……………………… (〃)

お問合わせ先

公益財団法人 大学セミナーハウス 国際交流室
〒192-0372 東京都八王子市下柚木1987-1
TEL:042-676-8512 FAX:042--676-1220
E-mail:g-sun@seminarhouse.or.jp