法人のご案内

館長メッセージ

館長 鈴木 康司
(Suzuki Koji)

荻上前館長の後を受けて平成25年6月から館長に就任いたしました。50周年を迎える公益財団法人大学セミナーハウスの現場責任者として、これからのセミナーハウスの進む方向をしっかりと見定め、支えてくださる会員校、千人会をはじめとする後援者の方々、更には利用してくださる皆様のご尽力を得て、歩んで行きたいと思っております。
このセミナーハウスが発足した半世紀前の日本は、池田内閣による所得倍増計画が進められて、国全体が急成長期に入るところでありました。設立者である都内30以上の大学関係者の思いは、社会を背負って立つ世代の養成にあたり、大学間の壁を越えた自由闊達なセミナーを、この自然に恵まれた環境のもとに展開しようとするものだったのでしょう。その為にはメンバーである大学がそれぞれ責任をもってこのセミナーハウスを支え、発展させようとの意気込みに燃えていたと思われます。
    
月日は経ち、時代は激しく変化しました。日本はもとより、最近の世界情勢の移り変わりはめまぐるしいほどですが、未来を担う若い世代をどのように育てるか、これはかつてと変わらぬ重要課題であります。わが国は現在、政治、財政、経済、外交など、国の基本的分野の劣化により、閉塞状況にあります。だからと言って、高等教育に携わる大学をはじめ、高校や、社会人が切磋琢磨せずこのまま推移すれば、日本は三流国に落ち込むでしょう。
大学セミナーハウスにできるのは社会全体から見れば微々たることでしかありません。しかし、われわれは公益財団法人としてベストを尽くすべく、古くからの施設に手を入れつつ、同時にさくら館をはじめ新規の施設を増築して利用者のご要望に応え、総合アートセミナーやプロジェクト・アドヴェンチャーなど、いくつもの新企画を実行します。更に、数々のゼミナールを一層充実して、新しい時代に即応した大学人、社会人、国際人の養成に取り組むことこそが、未来を拓く礎を築く道と信じています。
もちろん、時代の推移に伴って、大学に限定することなく、公益法人として社会に貢献する活動を絶えず心がけてまいる所存でありますが、そもそもは、若者たちのために諸大学が力を合わせて設立したセミナーハウスであることをお忘れなく、大学人の皆様におかれましても、変わらぬご支援とご鞭撻を賜りますようにお願いしてご挨拶といたします。
 (公財)大学セミナーハウス館長 鈴木 康司